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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 万 能 薬 ( No.1 )
- 日時: 2009/12/23 10:44
- 名前: 1739ダメージ (ID: 8LMztvEq)
【第一話】
「さて、今日も学校に行かないとな」
そう呟いたのは俺、松岡竜樹。尾空町に住むごく普通の中学生だ。
「母さん、行ってきまーす」
「待ちなさい。学校で風邪が流行ってるんでしょ?
万能薬を持って行きなさい」
「ダイジョーブだって」
「いいから持って行きなさい!」
ドガッ!ガシャーン!
「・・何も花瓶蹴る必要はないだろ・・」
「早く行きなさい」
「・・なんだってんだよ」
「タツキ君、おはよう」
「あ、美紅か、おはよう」
俺と同い年の岩田美紅、中学に入ってから知り合ったが通学路が同じなのでよく話すようになった。
「聞いてくれる?家の親ったらまた万能薬持ってけって暴れだしたのよ」
「美紅ん家もか・・」
万能薬が開発され、3年が経った。
3年間の間に万能薬は全世界に普及し、風邪薬の代わりにまで使うようになった。
「昔は忘れ物したって暴れて物壊したりなんかしなかったのに・・」
「家もそうだな。今日も花瓶蹴り壊してたよ」
「なんだかおかしいよね」
「そうだな・・。お、学校に着いたぞ。さあ早く行こう」
もう異変には気付いていたのに、どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
既に手遅れだったのだ。
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