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Re: Psychotisca-サイコティスカ- ( No.31 )
日時: 2009/12/30 14:35
名前: 冬宮準 (ID: SLr1s4QH)

§Piece:4 Diriger§

「えーと…血が美しいのは理解できるんだ。けど、『味』までは…ちょっと…;」

メアは小さな声で黒髪の女性に言った。それと同時に、下に転がる死体に目をやる。女性は微かに、しかし冷ややかに笑んで、隣にいた白銀の少女とオッドアイの青年に視線を移した。そしてボソリと、何かを呟いた。その怪しい呟きの跡に、女性は軽く肯きながら言う。

「いいでしょ?ユトラス、クリード」

ユトラスと呼ばれた少女は静かにコクリ、と肯いた。クリードと呼ばれた青年は、ふぅ、と一つため息をつくと、「了解、ミズル」と一言で簡単に答えた。女性—ミズルはそれを見ると、拳に力を入れる。そして…

「さて、いっぱい遊んであげるから、感謝しなさい!!!」

と言って、メアの方へと走り出した。メアは驚いて一瞬ふらつく。ミズルの拳が、メアの真上で勢いよく振り下ろされた。メアは「ひっ」と小さく恐悦の声を漏らしたが、直ぐに彼女のルナ—…「コープス」を使い血まみれの死体を操り始めた。幾つもの屍がクルクルと周り、ミズルの手を掴んだ。ミズルは少し悔しそうに死体を睨みつける。やがてその視線はユトラスに向けられ、それに気がついたユトラスはコクリ、と肯くと、握っていた大剣と共に死体の方へと走り出した。小さながらもすばやい動き。彼女は大剣を大きく持ち上げると、死体の背中を次々と切っていった。

「………要らない。死体なんて」

ユトラスはそう呟いていた。ミズルの手から、死体のおどろおどろしい手が離れていく。

(とりあえず保留)