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Re: -猛追ノ夢- ( No.1 )
日時: 2009/12/27 15:38
名前: 黒犬 (ID: wnkXBzTQ)

 「・・・・?」
何だろう…頭の中がクラクラする。
 
 
 赤髪の少年は、空を見上げた
  「…暗い」
今は、きっと夕方くらい
 雨雲が夕日に覆いかぶさっている

そのせいか、黒い景色に小さな光が見えるという
なんとも不気味な空だ。

 「……戻らないと…」
掠れた声で呟く
少年の服は、古ぼけて赤く染まっていた。
 顔にはアザが出来ている。

  ≪おい!居たぞ!!生き残りだ!≫


 
 いきなり、そんな声がして少年が、目の色を変えて走り出す。
 それと同時にいくつもの足跡が迫ってくる。
   
  ≪逃がすなよ!!捕まり次第…≫

     ≪殺せ!!≫

   「…ッ!!!」
 
少年が唾を飲んだ。
 鼓動が早くなる、
足が重くなっていく
でも逃げなければ


早く…そう早く!
あいつ等から逃げないと

早く巻いて、皆の元に行かないと。
  


   ドスンッ!!!


 何かにぶつかった。
  「…!!」
軍服を着た男が目の前に居た。
 男も驚いた様子でこちらを見ている。

    ガシッ!!

いきなり腕を捕まれ、全身に恐怖が走った。
  「…ぃやだ…放…せ」
 「ケルトの生き残りか、連れてくぞ」
   「やめろ…放せ!!!!」

強い力で引っ張られる。
 男の向かっている先は、きっとあいつ等の場所
   (…殺される…!!!)

 恐怖と絶望で、涙よりも震えがする。

 

    ドスッ!!!
  「…のぉ…」
 体を絞ったような声が男から聞こえた。