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Re: -猛追ノ夢- ( No.2 )
日時: 2009/12/27 23:01
名前: 黒犬 (ID: wnkXBzTQ)

   

  男を剣が貫いていた
    「グォ!?」
 断末魔の叫びが聞こえる。
  
   「—ぇ…—」
  少年の瞳が大きく開かれた
 驚愕と混乱が入り混じる


  

 —鮮血が、目の前で飛び散った—
  
   ドサッ


 男が少年の目の前で倒れた。
 地面が赤に染まった。
   
 「……死んで…る?」
 死んだ男を見ると、視線を前へ戻す。
  目線の先に、剣を持った長髪の男が居た


    「お前が、ロイド・ネイビーか?」
   長い髪の男が、少年に尋ねる
    混乱しながらも少年が、縦に首を振る。
  すると、男の顔が和らぎ、手を差し伸べる

  「私の名は、フライン・シィーラーだ」
    突然の自己紹介…
  この状況下で、どんな反応をしろと云うのだろう?
  
  少年…ロイドは、しばらく黙っていた。
    「………どうして、助けた?」
 おそるおそる、質問してみる。
殺気がまったく感じれない事は多分、敵ではない
 
 「簡単に言えば、此処は俺の任地で…ってガキには簡単じゃねぇか……」
 ボリボリと頭を掻きながら、淡々と話す。
   
「…お前が、『ギリシア・ネイビー』の息子だから」
  ロイドは首を傾げた。
 「ギリシ…ア…」
聞いたことが無い…。
 でも…まさか…

「お前の父親だよ」



 「…父さん?」
   「そう」

でも、覚えてない。
会っていないワケではない
うんと小さい頃に、会ったんだろう
 今…7才だから…


「お前が、赤ん坊と、少しまで生活してたらしい」
  フラインが、また細く笑った。




    ≪どこに行きやがったあのガキ!!≫
       ≪捕まえろ!!≫



 また、追っ手の声が聞こえてきた。
   ロイドの顔が青冷める。
 フラインが、気の抜けた目でそれを見ている。
    「おっと、これはゆっくり出来ないか…」
軽くまた笑うと、ロイドを抱えこんだ。
 すると全力疾走で走り出した。

  「うわわわ!!!!!」
 「こっちの方が早い!!!!」
確かにフラインの方が早い
 大人だから当然だろう。


 「このまま、此処を突破する!とりあえず俺は出口まで運んでやる!!!」
  フラインが叫んだ。