1 プロローグ 『次元』とは、『空間』の中に存在する世界の事である。 それは無数あり、それぞれの世界があるのだ。そして、それらは微妙なバランスで均衡を保っている。 その均衡が崩れたとき、『均衡の女神』はある者にこう命じるのだ。 「絵の間違いを探し出し、直してきなさい」 選ばれた者は、ただただ頭を下げ、己の運命を受け入れなければいけない。 その者は、どの『次元』の書物にも記されている。 『均衡の守人もりびと』または—— ——『白き羽の騎手』と。