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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 3. ( No.13 )
- 日時: 2010/01/05 13:14
- 名前: 六 ◆BbBCzwKYiA (ID: IJ2q7Vk/)
瞼を開けて最初に見えたのは、どこかで見たことのある小さな部屋の天井だった。………ああ、ここは僕が作られた場所か。
誰かが言う。
「………来い」
その声につられて体を起こし、誰とも分からない恐らく男であろう人間についていく。
着いたのは、白い病室。見せられたのは、そこの寝台で静かに眠る自分と同じ顔をした少女だった。
「この人がお前のオリジナルだ。しっかり記憶しておけ」
まだ少し虚ろな頭で無意識にそれに返事を返すと、誰かは部屋から出て行った。
『お前は偽物。あの人が本物』
「………きみが、「ほんもの」ぼくは「にせもの」」
まだ理解が完全に及んでいない何処かで聞いた言葉をぼんやりとした記憶を頼りに繰り返す。言い終わってから、自分が目の前で眠る少女の偽物である事を改めて思い知らされた。
……この少女を殺せば、ほんものになれる?
そんな考えをすぐに振り払う。分かっている筈だ。あの大人達が「にせもの」である自分が「ほんもの」を殺せば「ほんもの」になれるどころか憎まれれるようになることは。
少しするとまた誰かが来て、元の小さな部屋に連れ戻される。
連れ戻されて硬い大きな寝台に寝転がった瞬間、意識が途切れた。
……
見えたのは暗い闇。
……そうか、今のは僕が最も思い出したくなかった記憶か。自分が偽物だと、再認識した時の。
暫く歩いて、外の光が見えてくる頃には、何時の間にか服や手の汚れは消えていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜
なんやかんやで三話目
頑張りますよ。頑張りますとも(何
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