ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 時 計 が マ ワ ル ( No.2 )
- 日時: 2010/01/03 11:39
- 名前: 来 ◆lxf4V8U/eA (ID: COldU63y)
- 参照: http://二次では屡稀と言います!
第一話 歯車
痛い——————
痛いよ——————
助けて—————————!!
キキキキキキィィィィィィィィッ!
バ———ン!
花を摘んでいて、私—雪峰 凪は引かれた。
道路に出るつもりは無かった。
でも、拾った綺麗な鈴蘭が道路へ転がり出た。
駄目、駄目、駄目、駄目、駄目駄目駄目駄目!!
潰されないでぇ———っ!
私はそう思った。
自分がこんなにも想うなんて知らなかった。
あ
あ
あ
あ
あ
!
!
ぱしっ。
鈴蘭は私の手に持たれた。
……でも私は浮いた。
あ
れ
?
私は宙に浮いたと思ったら。
今度はいきなり地面に落ちた。
あんなに綺麗な白色だった鈴蘭が。
赤黒い色になった。
身体中が痛い。
視界が黒くなって行く。
この世の何もかもを吐き出してしまいたい。
いっそ。
時なんて。
止まってしまえば良いのに————————————
————————————
「……あ」
そこで目が覚めた。
———夢か。
私は息を着きガバッと起き上がる。
白色のベッドに紫色の掛け布団。
私の部屋。
私の布団。
でも重要な私は。
わ
た
し
じ
ゃ
な
い
ん
だ
・
・
・
・
・
・
・
・
「はぁ……ッ!!」
私は頭を押さえる。
駄目だ。
あれが夢じゃない様な気がする。
一度、あの時……
私はっ——————!!?
バン!
すると部屋のドアが豪快に開いた。
「な、凪? 大丈夫か?」
「お兄ちゃん……」
正体は私の兄—来。
心配そうに私を見ていた。
「大丈夫……何でもない……」
「気をつけろよ……僕にも凪にも
〝能力〟があるんだから……」
来は心配そうに私の手に肩を置く。
能力、と言う言葉に少し反応する。
そう、来にも私にも……
一度不思議な体験があった。