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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鬼姫 ( No.7 )
- 日時: 2010/01/08 17:59
- 名前: 璃亞 ◆rhGzPkONPY (ID: 21pxq.RV)
*二章*-祠の鬼-01
『また……祠で待ってる』
昨日見た夢のあの言葉が、頭から離れなかった。
ふと徹は祠のある方角を見た。
(やっぱり……気になるな…、行くか…???でもなぁ…)
「……る??…ぉる??徹!?」
ボーっと考えていると耳元で自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
声の主は幼馴染の芹だった。
「耳元で叫ぶなよ!!……っで、どうかしたのか??」
「んーん、別に用は無いけど……徹がボーっとしてるから……」
ちょっと悪戯な笑顔を向けながら芹は徹に言う。
「あー…ちょっとな、昨日の事を…」
少し面倒臭そうに芹にボーっとしてた理由を話した。
————『夢』と言う“コトバ”は使わないようにして……、
「『昨日の事』……??あっ祠の御饅頭を食べちゃったって言う…アレ?」
「そうそう!!んで、祟られないか心配で……ちょっとな」
徹が早口でそういう。
「あっ……早口!!嘘なんだ!!」
「う、嘘じゃねぇよ…、まぁ…もう一個理由はあるけど……」
「え、何々??気になる!!教えて、教えて!!」
興味津々と言いたそうな顔を向けてくる芹の頭を何時も見たいに徹は乱暴に撫でた。
「バーカ、教ねぇよ。」
「えー……ケチー……!!」
「……ま、祟られないようにコレ…置いて来るわ」
そういう徹の手には餡子の塊が収まっていた。
「え、名に此れ??今日のお八つの御萩??」
「そ!!置いてあった饅頭には適わないけど、まぁ此れで鬼さんの機嫌でも直してくるよ。」
「そんなんで機嫌……直るのかなぁ…???」
「なーに!!物は試しだ!!!中身と外見が入れ替わっただけだしな、そんなに変わらねぇだろ
んじゃ、行って来るわ!!」
そういって徹は昨日見たく、家を飛び出した。
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