序章 始まりの音始まりは、唄だった。紡がれる音に、囚われた。その音で、世界が息づいた。「・・おい。御前、俺の話聞いてんの?」「ご・・ごめん。」「ぼーっとし過ぎ。俺と話したくないの?」「え、違っ。そんなんじゃ・・なくて・・。」鳥籠の中で過ぎる時。手を伸ばしても届かない時間。このまま、永遠に過ぎ去ると思っていた。"あの時"までは———