ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 腐った彼は、笑わない。 ( No.1 )
日時: 2010/01/06 15:51
名前: 宵子 ◆OKoRSyKcvk (ID: tk7FG1Mp)
参照: 自重しろ。

story−00 【プロローグ代わり】

 
 僕が精神的にもろくなってしまったのは、明らかに両親のせいだった。

 子供の頃…とはいっても、今からたった7年前。僕の母親と父親は突然失踪したらしい。らしい、というのは、僕は2人が失踪した、8月16日の午後2時————神社の境内で遊んでいたからだ。
 何故失踪するはめになったのか……理由は知らない。
 ただ分かっていること。
 それは、2人の捜索願が出された時点で、2人がもうとっくに死.んでいるということだけ。……いや、殺.されたと比喩した方が、正しいのだろうか?

 ———8月16日、午後6時。
 彼らは、近くの山奥で惨.殺された姿を、発見された。
 
 ちなみに、発見者は僕の祖父。山の中で愛犬を放して、孫と遊んでいたところ、木に四肢を括り付けられて息絶えた母を見つけたと言う。
 そしてその時一緒に居た孫とは……僕の実妹、依澄(いずむ)。依澄は、その時まだ3歳だった。
 なのに———彼女は不運なことに、祖父の制止もきかず真正面から母と向き合ってしまい———……。

 ……あの事件によって、彼女は、壊れた。いや、壊されてしまった。
 あの無垢な笑顔と、純粋な心を、奪われた。
 そして、僕もあの事件からずっと何処か狂ったままなのだ。ずっと、変わらずに、生きている。

 
 この話も一種の呪縛、だったりして。