ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 呪われた瞳と愉快な魔女達 第四章開始! ( No.104 )
- 日時: 2010/08/03 16:12
- 名前: 白魔女 (ID: zi/NirI0)
三話——謎の魔法石
グレイはクロスと同じ悪魔。魔女と悪魔はある時期になるとお互い契約を果たし、それからは何をするにも一緒に行動する事になる。一部は愛し合った者同士でやるし、一部は相手を適当に選んだりもする。そして一部は、よき友人として契約を果たしてりもする。アリスとクロスはそうだった。幼馴染で、そこそこに気も合う。しかし、グレイはアリスにゾッコンだった。魔法学校のときからアリスにアタックしては砕けている。何度も再生を果たしているのだが。
契約の時期になり、もちろんの如くグレイはアリスに契約をしようと申し出たが、時すでに遅しだった訳だ。
それでも未だにアリスを追いかけている様子を見ると、グレイも根気強いと回りは思っていた。クロスから見ればただの変態だったのだが。
「——で、グレイは今日何しに来たの? ただ様子見にきただとか言ったら——」
「ち、違うって。ちゃんと用事があったんだ——」
アリスに作ってもらったサンドイッチにパクつきながら、グレイは言った。
「俺はアールシュタインっていう街の貿易の仕事をしているんだが、最近変な物が外の国から密輸で運ばれるようになったんだ——それが、これ」
グレイが取り出したのは、赤く光る石だった。アリスとクロスはそれを見て息を飲んだ。そして無言で、ルリを襲った盗賊が持っていた魔法石を取り出した。
「! アリス、それは……?」
「ここに出没した盗賊が持っていたものだ。盗賊は、前に襲った奴から取ったと言っていた」
「……そうか。まさか、ここまで来ていたとはな……」
アリスはテーブルに置いた魔法石を見た。グレイの赤い魔法石に反応して、赤く輝いている。いや、これは赤というより、紅……。
「なら、この石の力も知っているだろう?」
グレイが話を続けた。クロスが答える。
「あぁ、魔力が倍増するんだろう? 普通に人間でさえ、魔法が使えるようになる」
「その通りだ。おかげでアールシュタインは大変な事になっている。魔法で街の者を襲ったり、犯罪が増幅だ。それに使い方を誤った奴が、モンスターを呼び出したりする様だ。俺はアールシュタインの町長と知り合いでな。どうにかしてくれと頼まれたんだ。街で魔法が使えるのは俺だけだからな……。だが、今回は手に負えん。そこでだ、アリス……達に手伝ってもらおうと思って」
アリス達、のところでグレイはクロスを見た。アリスだけを連れて行きたいが、どうせこいつもついてくるだろうと思ったのだ。
「いい……か? 結構危険かも知れないぞ? 俺としては、あんまりアリスを危険にさらしたくはないが、頼れるのはアリスくらいだから、な……」
「グレイ。他にも理由、あるんじゃないの?」
アリスが静かに言い放った。グレイは静かに動じる。
「この魔法石、やっぱり……」
「あぁ……たぶん、紅い魔女だ」