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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 呪われた瞳と愉快な魔女達 第四章開始! ( No.112 )
- 日時: 2010/08/07 22:45
- 名前: 白魔女 (ID: zi/NirI0)
田舎育ちで、そうそう家を出ることがなかったアリスは、こんな大都会は初めてで、人でごった返すホームを唖然ボウゼンで見つめていた。
「おっと、ごめんよお嬢ちゃん」
肩にぶつかって来たおじさんがアリスに謝る。返事もそこそこに、グレイの後を追おうとするが、人が多く、なかなか進めない。しかし、アリスとは逆にこういうところに慣れているのか(それとも猫だからなのか)、グレイもクロスも先に進んでしまう。
「ちょっ……待って……あっ」
肩を強く打たれて、アリスは体勢を崩した。ぺたりを座り込んでしまったアリスに気づかない人達は、そのままアリスに向かって歩いてくる。
——どうしよ、踏まれる——!
そう思ったときだ。ふわっとアリスの体が宙に浮いた。とっさのことで、アリスは自分に何が起きたのか分からなかった。勝手に魔術を使ったとか……そんな馬鹿な。
ぽへーとしていると、足が地に着いた。振り返ると、赤毛の男がアリスを見下ろしていた。
「——大丈夫か?」
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