三話——魔女の独り言 アリスは新聞を眺めていた。眺めて、といっても、全く読んでおらず、ただ目の前においていただけだ。頭の中ではずっと、あの少女の事を考えていた。(赤い瞳……まさかな。そんなわけない。あるはずない)「あるはずないんだっ……」 思わず声に出してしまっていた。「ん……?何か言ったか?」 ボールで遊んでいたクロスが、反応する。「……いや。なんでもない」