ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 呪われた瞳と愉快な魔女達 ( No.21 )
- 日時: 2010/01/27 23:33
- 名前: 白魔女 (ID: tPOVEwcZ)
第二章——魔女の集い——
一話——退屈な日常
「アリスー!もう朝だよ!」
カーテンをシャーっと開けられ、アリスはまぶしそうにうめく。
「朝って言ったって……あたしは魔女なんだから、遅寝遅起きが正しい生活なの!」
「ほら起きて!」
ルリの癖なのかわからないが、またしても無視されたアリスはうんざりしていた。
(昨日は夜中までよくわからないパーティに付き合わされて、ただでさえ眠いのに……)
布団を剥ぎ取られ、しぶしぶ起き上がる。
「はーやく!朝ごはん作ってよー!」
「自分で作れー!!」
——朝からこんなに騒がしいのは、何年ぶりだろう、とアリスは思った。
早起きしたって、ルリにはつまらないことばかりだった。
アリスは一応店は開いているが、ほとんど客は来ない。だからアリスは読書は昼寝か、店に売る物を作ったりするだけで一日を済ます。そんなつまらない日々に、幼いルリは耐えられるわけがなかった。とはいえ、三日ももったのは、奇跡というべきか。
「つまらないーっ!」
ルリが来て三日目。ようやくルリは音をあげた。
「って言われてもね〜。クロスで遊んでれば?」
新聞を読むアリスは、ルリのほうを見向きもしないで言った。
「もう、飽きたよ〜」
見れば、アリスの店の布を使ったであろう服もどきのものを着せられた死体……いや、クロスが床に転がっていた。
「アリ……ス……。貴様ぁ……」
苦しげなクロスを見て、アリスは冷酷にルリに言い放った。
「ルリ。クロス汚れちゃったから、洗面台で洗ってくれば?あ、お風呂入れてあげて」
「はーい!」
「……!風呂は嫌だーっ!水は嫌いだーっ!」
「綺麗にしましょうね〜」
残ったのは、クロスの苦痛な悲鳴だけだった。
二人がいなくなってから、アリスはため息をついた。
(ルリがつまらないって言うのはわかってたけど……これが日常だからね。でも、飽きて家を出てったら困るし……)
悩んだ末にアリスは、ドライヤーで乾かされているクロスと、それを楽しんでいるルリに言った。
「今夜、サバトに行くよ!」