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Re: 呪われた瞳と愉快な魔女達 ( No.43 )
日時: 2010/02/21 18:04
名前: 白魔女 (ID: tVOKPYTM)



第三章——さらわれた少女と黒魔法陣——


一話——サバトの朝


 結局、昨日のサバトは午前三時まで続き、そのあと帰ってアリスたちはすぐに寝てしまった。アリスも今度こそ朝寝坊しようと思うが、またしてもそれは失敗に終わった。

「アーリースー!」

 家の外から、元気な声がする。

「アリスったら、まだ寝ているの?」

 ツンツンとした声が、続いて聞こえる。

 アリスはそれを必死に無視し続けた。お願いだ、お願いだ。お願いだから寝させてくれ!と頭の中で叫びながら。

 ドアの開く音がする。二人の足音がどんどん近づいてくるのを、アリスは恐怖にしか感じられなかった。

「アリス!!」

 耳元で怒鳴られたかと思うと、ぬくぬくして気持ちのよかった布団を剥ぎ取られる。

 ——なんでこうも、みんなあたしの邪魔をするの!

 アリスは半分泣きながらそう思った。