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Re: 呪われた瞳と愉快な魔女達 ( No.45 )
日時: 2010/02/28 19:32
名前: 白魔女 (ID: Eda/8EBL)



三話——ルリの疑問


(アリスって、やっぱり凄い魔女なのかなぁ)

 ルリはずっと、その後考えていた。

(でも、セレサおねえちゃんや、リンおねえちゃんみたいな魔法は使わないし……)

 アリスとセレサとリンは、奥の部屋に閉じこもって、何か話している。と言っても、深刻な仕事のようではなさそうだ。キャアキャアと、女子学生みたいな声出して。

 だからルリは午前中は暇になってしまって、使い魔たちと遊んでいた。

 小動物ばかりだから、いじりがいがあって、楽しく遊んでいたが、やっぱり飽きてしまった。

「ねえ。三人とも」

 ルリは三人を呼んだ。三匹のほうがあっていたかもしれないが、ルリは考えていなかった。

「アリスのことで、何か知ってない?」

「え?なんでアリスの事なんか知りたがるんだよ」

 最初に、一番アリスのことを知っているであろうクロスが言った。

「僕も知らないねぇ」

「僕だって知らないアルヨ」

 と言っているわりには三人とも目をそらしている。

「本当〜?アリスって、凄い魔女なんでしょう?」

 ルリが乱暴に、一番教えてくれそうなシャウシャウの体をゆすった。

「や、や、やめてアルヨ〜、アリスは、記憶の……」

 シャウシャウは言い掛けたが、はっとして口をつぐんだ。ルリたちがいた店のドアが、勢いよく開いたのだ。

「すいません。トイレを貸してもらいたいのですが……」

 それは、若い男の人だった。帽子を深くかぶり、茶色のコートを着ている。

「へ……」

 少しビックリしたルリはそのまま硬直したが、男はルリを見るなり、ずいっとルリに近づいた。


「お嬢ちゃん、その瞳……」