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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 呪われた瞳と愉快な魔女達 ( No.49 )
- 日時: 2010/03/01 00:04
- 名前: 白魔女 (ID: Eda/8EBL)
四話——誘拐されたルリ
「キャ————っ!!」
奥の部屋で話し込んでいたアリスたちは、ルリの悲鳴でハッとした。
「ルリっ!?」
店に出てみるとドアが開きっぱなしで、シロネとシャウシャウが呆然と立ちつくしている。
「シロネっ!ルリちゃんは?」
「い、いきなり店に来た男が無理やり連れて行っちゃって……」
「そうアルヨ。クロス君が慌てて追いかけて行って……」
二人ともおろおろして、今にも泣き出しそうな顔をした。
アリスが外へ出てみると、店を出て少ししたところに魔法陣が描いてある。
「ちっ……相手は魔術師か。魔法陣なんかで逃げやがって……」
「アリス!どうするの?手がかりも何もないし……」
後から続いてきたセレサが訊く。アリスは地面に描かれた魔法陣を見ながら答えた。
「大丈夫。魔法陣が解読できれば、どこに行ったかはわかるはず。少し時間はかかるが、クロスが付いて行ったのは幸運だったな」
「魔法陣の解読なんて、アリスできるの?」
リンが不思議そうに訊く。
「うん、特殊な魔術を使えば、わからないこともない。ただ、魔法陣を使いこなしているやつの魔法陣は複雑だから、解読にはさらに時間がかかるが……」
そういうと、アリスは魔法陣に手をかざしたまま、目を閉じた。セレサとリンは、邪魔をしまいと店のほうへ戻ろうとするが、アリスが目を閉じたまま二人に言った。
「かなり手ごわそうな魔術師だ。ちゃんと準備をしておけ」
「う、うん……」
二人は急いで店に戻り、使えそうなものをカバンにつめた。
アリスは二人の足音が遠ざかるのを聞きながら、つぶやいた。
「コイツ……まさか、黒魔法陣の使い手か……!?」
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