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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 呪われた瞳と愉快な魔女達 ( No.76 )
- 日時: 2010/03/31 09:42
- 名前: 白魔女 (ID: N1KBaRht)
十二話——精霊
その刹那、まばゆいばかりの光があふれ出した。光りを放っていたのは、アリスだ。アリスは、自分の腕から流れていた血で、魔法陣を描いていたのだ。真っ赤な血がべっとりとついた右手から、白い小さな精霊が飛び立つ。精霊は、白いワンピースを着ていて、背に白い翼がついていた。
「お呼び出し、誠に嬉しく思います。ご主人様、何をなさればよろしいでしょうか?」
アリスは、血が大量に出たために、苦しそうな顔をしていたが、なんとか口を開くと、その精霊にに命令した。
「……闇の使者を……地獄へ送り戻せ!」
「かしこまりました」
精霊は闇の使者の元へ飛び、まずルリの縄に触れた。縄は一瞬で解ける。そして、闇の使者の周りをくるくると飛び回った。飛んだ後には白い粉があり、闇の精霊に降りかかる。
闇の精霊は、苦痛に顔を歪め、うめいた。すると、闇の使者の下に、ポッカリと穴が開く。
「地獄の扉、開いたり」
精霊が言うと、一瞬で闇の使者は、暗黒の世界へ絶叫を上げながら落ちていった。
「任務完了です。ご主人様」
そう言うなり、精霊はパッと消えてしまった。
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