ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 呪われた瞳と愉快な魔女達  参照400突破ッ! ( No.82 )
日時: 2010/07/05 17:00
名前: 白魔女 (ID: bEKYC/sm)




「ふう……。ようやく静まったようだけど、終わった
のかな?」

 暗闇の中で、シロネはシャウシャウに言った。

「どうだろう? ここからあの広間までは遠いから、わからないアルヨ」

 アリス達が戦闘モードに入った後、二人は怖くなって館のほかの部屋に隠れていたのだ。

「大きな音が鳴ったと思ったら、悲鳴が聞こえるし。そしたらいきなり魔法陣が消えてるし……一体何があったんだろ」

「もうそろそろ、戻るアルカ?」

「そうだね、そうしよ」

 二人はそろそろと、アリス達がいた広間へ出たが、そこはもぬけの殻だった。

「あ、あれ……? みんな、どこ行ったアルカ?」

「ささ、先に帰ったとか……」

 しばらく沈黙が続く。

「まさかぁ! 仲間を置いて、見捨てるわけないアルヨ!」

「そ、そうだよね。きっと、僕らを脅かそうって、隠れてるんだ」

 完璧なる現実逃避をしながら、二人は館内を徘徊した。が、当たり前だが誰もいない。

 広間に戻り、二人はまただんまりした。

「……」

「……」

 なんとも言えない恐怖が、身を包む。

「叫んでみたら、誰か出てくるかもよ?」

 シロネがそう言い、シャウシャウも納得した。そして、同時に叫ぶ。

「誰かいませんか—————っ!?」

 その時だ。館の天井に、大して明るくもないのに影が浮かんだ。

 その影顔の形をしていた。真っ黒だが、口だけが真っ赤で、耳まで裂けている。

 そして、影はニタリと二人に笑いかけた。

 ——館に、悲鳴が響き渡る——。