ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

電脳探偵部に入ったワケ(あるいは詐欺) ( No.16 )
日時: 2009/07/24 16:14
名前: 空雲 海 (ID: JvL4RDTQ)

わたしはその後、頑張って勉強をした。
「ご飯できたわよー。」
お母さんの言葉でわたしは電気を消す。
そして、階段を下りて行く。

「さっきは、終わっちゃったけど、ちゃんと勉強するのよ。」
お母さんがわたしに言う。

その顔はちょっとくもってる。
「ちょっと息抜きくらい、いいじゃない。それに、わたしちゃんと勉強するし……。」
「本当に、大丈夫なの?」
「だーいじょーぶ! 大丈夫。それより、今日のご飯は何?」
「もう……話そらして。今日のご飯はからあげよ。」
「やったね!」
わたしはからあげが積んであるお皿に手を伸ばす。

そのとたん! ビシッ!とお母さんに手を叩かれる。
「ちゃんとおはし持って食べなさい!」
「はぁ〜い。」
そして、はしを持つわたし。
「いっただっきまぁーす!」
そして、わたしは期末テスつの向けて、勉強した。

そして、ついに……期末テストの日がやってきた……。
その結果は……。
「うそ……うそでしょ……。」
わたしは自分の答案用紙を見て絶句する。

だって……だって……。
「学年平均……10位……。」
前は3位だったのに……7位も下がってる……。
それに、わたしちゃんと手ごたえあった! なのに……なのに……。

「なんでぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
わたしの声が教室中に響き渡る。もしかしたら、隣のクラスまで聞こえてたかもしれない…。
「どうした? 柳川。」
佐藤先生がわたしに聞いてくる。その顔はくもっている。

「佐藤先生! こんなのありえません!」
わたしは答案用紙を佐藤先生に見せる。
「わたしはちゃんと答えを埋めましたし、手ごたえもありました! なのに……なのに…… 前より下がってるなんてありえません!」
わたしは佐藤先生にしきりに訴える。

しかし——……。
佐藤先生はわたしの点数を見ると、みるみるうちに青ざめていった……。
わたしの声なんて届いてない……。
「あとでいつもの場所に来い。」
そういって、先生はわたしに答案用紙を返してきた。
「いつもの場所」とは古い理科室だ。南館の1階にあって誰も入らないから、わたしたちはいつもここで話をしている。

「先生! 今の話——」
「話は後で聞く。」
そういって、先生はわたしの言葉をさえぎる。
うそだ……。「後で聞く」って言ってるけど……本当は……。

わたしは流れる涙をグッとこらえて、席に戻った。
その手に握られていた答案用紙は、強く握りすぎたため、クシャクシャになってしまった…。