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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 電脳探偵部に入ったワケ(あるいは詐欺) ( No.19 )
- 日時: 2009/07/24 17:06
- 名前: 空雲 海 (ID: JvL4RDTQ)
わたしは、あの理科室へ行く。
そして、重い足取りで理科室の扉を開けた。
パチッ……。
それと同時に電気がつく。
「遅かったな……柳川……。」
佐藤先生が机に乗ってる……。
「佐藤先生! こんなのわたしじゃありませ——」
パアンッ!
……理科室に風船が割れたような激しい音が響いた……。
「痛い……。」
わたしが左の頬を触る。
「なぜ……なぜ、こんな点数を取ったんだ!」
佐藤先生……。
「だから言っているでしょう……こんなのわたしじゃない……わたしは……わたしは……。」
「俺はお前に期待していたんだぞ! なのに……なのに! お前はそれを裏切りやがって!」
佐藤先生の眉間にシワが寄る。
佐藤先生の言葉づかいが違う……。
「ごめんなさい……せっかく期待していただいたのに……でも!」
「でもでもなんでもない! この点数は事実だ! 変えることはできない!」
「……そんな……。」
「チッ……大損じゃねぇーか……この点数じゃ巻き上げることもできねぇー……。」
……佐藤先生、口調が変わってる……。
わたしは、この佐藤先生の変わりように驚いた……。
——すごいじゃないか! 柳川! 期末テストは大いに期待しているぞ!——
あの優しい声の佐藤先生はどこへ……。
「あぁ? 何、ジロジロ見てんだよ……。」
わたしは慌てて目線をそらす。
「はっ……。こんなに変わってびっくりしたか? フッ…、そりゃそうだよね。前なんて 褒めまくってたもんな。でも、こんな点数なら褒める気もしねぇ。」
そういって、机からおりる。
「今度の課題テストは期待通り、取れ。いいな。」
そして、理科室を出て行った……。
わたしは、一人流れる水を拭いながらうずくまっていた……。
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