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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 電脳探偵部 —バグ、消去します— ( No.4 )
- 日時: 2009/07/24 15:24
- 名前: 空雲 海 (ID: JvL4RDTQ)
だけど、ちょっとわがままなところもある……かな?
「それより——曇がきてねーじゃねぇーか。」
空雷先輩が言う。
「そうね……。いつもなら一番早くに来るのに……。」
雨雲先輩が言う。
そう……わたしも思っていたこと。
曇先輩がまだ来てない……。
瓜杉(うりすぎ) 曇(くもり)。
曇先輩がこの電脳探偵部の部長。だけど……曇先輩は2年。雨雲先輩と空雷先輩は3年。
雨雲先輩と空雷先輩じゃ曇先輩に頭があがらない(ましてや1年のあたしも頭があがらな い)。曇先輩は、この電脳探偵部になくてはならないものだから……。
その時! ゴトゴトッ……と扉が揺れる音がした。
「来たぞ……曇のお出ましだ……。」
そして、数分してぎこちなく重たい扉が開く。
「ハァハァハァハァ……。」
そこから現れたのは、やっぱり曇先輩。
いつものように、ブレザーの制服を着こなし、サラサラの短い髪にキリッとした目。
いつもあまりしゃべらないから、先輩たちに人気。
「扉を開ける作業くらいで息あがるか、普通!」
空雷先輩が曇先輩に大声で言う。
……だけど、運動オンチなのよね……。
「………。」
それを完全無視した曇先輩。
そして、いつもの場所——この部屋の一番前のデスク——に腰をかける。
「久しぶりの依頼だ。」
そして、ノートパソコンを起動させる。その言葉で、全員の目がキラキラと輝く。
「退屈してたからよかったわ。」
「マジか! 久しぶりじゃねーか!」
雨雲先輩と空雷先輩が言う。
ほんっと……久しぶりの依頼よ。
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