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Re: も う 逃 げ 切 れ な い ( No.18 )
日時: 2010/02/13 15:21
名前: (●`・_っ・サンゴ♪ ◆iq8llSWq9g (ID: FH8GDiLh)
参照: まかせておけ!だっちゃ(´・ω・`)b

9#【開始】(里穂目線)

『ジリリリリリリリリリリリリリッ』

「ふにゃ・・・」

裕香が寝ぼけながら手をのばした。

「あと5分ねかせてェ・・・べふっ。」

目覚まし時計を止めて再び眠りに落ちた。

「おいっ!?おきろっみんな!」

右京がみんなに叫んだ。

「うう・・・お母さん?」

「あと・・・あと5分だってばぁ!!」

「ぐっ・・・」

起こしたのは右京だった。

右京は・・・リュックの中を整理していた。

モチロン、そのリュックというのは他の店から盗んできたものである。

「・・・えっ!!!今何時ぃっ!?」

里穂がいきなり跳ね起きた。

「やっと起きたか・・・今、6時59分。」

「ウソ!!あと1分!?」

「うそだよ・・・うるせーなっ。今、4時6分。」

「ふぅ〜ん・・・そろそろおきようかなっ。」

里穂がベッドから跳ね起きた。

ちなみにみんなは駅前のデパートの生活用品売り場の高級ベッドで眠っていた。

「でもぉ〜、あと3時間だよっ・・・」

寝てるハズの裕香が声を上げた。

「ん・・・なぁんだ、裕香起きてるじゃんっ。」

「えへへぇ、だってあったかいんだもーん♪」

裕香はそういって寝返りをうって、あっちに顔を向けてしまった。

「つーか、大樹!起きろよクソ!!」

「うっわぁ〜、やっぱり里穂は男子にキビしいなぁ〜ッ!!」

大樹もベッドでぬくぬくしてる・・・っ

「みんな、おっそいわね〜!!」

・・・瑞希が着替えまでしてみんなを待っていた。

つか、早ッ!!!!!!!!!

「どう?このジャージ。走るにはもってこいでしょ?服売り場で売ってたの。」

「瑞希・・・早いよ。右京もだけど・・・」

裕香が苦笑いした。

「てゆーかァ!聞いてよ瑞希ッ!大樹が起きないんだよぉッ!」

「そーだよ、2人とも・・・いいかげんに起きねーとヤバイぞっ。いくら3時間あっても隠れ場所探しにはちょっとキツイぜ?」

「んじゃ、起きよぉっと。」

裕香がベッドから降りた。

「あ、歯磨きの水トカは食品売り場で持って来いよー」

「はいはいっ、と・・・・・裕香、いこっ♪」

「うん・・・ふぅ。」

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                               10分後

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「準備完了ッ♪」

「んじゃ、そろそろ行くか・・・」

みんな、行く気まんまん。・・・だけど。

「私、怖い・・・・・。」

「・・・え?」

私の足は震えていた。

さっきまで大丈夫だったのに。

刃物で刺されるなんて嫌だ。銃も嫌だ。

それにお母さんとお父さん・・・みんなに殺されるなんて。

嫌だ。

「里穂・・・」

「裕香ぁっ、瑞希ぃ・・・っ。」

私の目からは大粒の涙がこぼれていた。

「里穂・・・大丈夫だよ。」

「そうだよ?泣かないでよ。ね?」

「ぷっ、里穂らしくねェぞっ!?なぁ右京。」

「そうだっ。泣くなよっ!!」

みんなの声が優しく耳に入っていった。

「そんなこと言われたら・・・余計にないちゃうよ・・・」

どうてだろう。泣いてるのに・・・笑顔ができた。

「「「「心配ないよ。」」」」











こんな

幸せをよそに、

おそろしい不幸が

もう、すぐ後ろまで

近づいているなんて

私達は

想像さえ

していなかった。