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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鬼桜伝 ( No.31 )
- 日時: 2010/01/31 19:41
- 名前: 咲夜 (ID: hz0j4KYh)
其の拾参 振り向いて、白銀のあの子。
弥生さんと同い年で、愁さんに愛されている。初音様とは昔、何かあったようで。そして魁さんの大事な妹であって。あの琥珀と疾風には、色々言われたりしてるけど。
木下花百は、人間じゃない。
これだけは確信できる。人間の姿をした、化け物なのだ。きっと中身は妖怪か、鬼だろう。でも、それは完全というわけでなく、半分。あれ、よく分からなくなってきましたよ・・・・・・??
「でも、あの銀髪と紫の瞳って、人じゃないよ」
そうですよね。
いつか、封印しないと京のまちが大変なことになりますから。私に任せておいてくださいね。これで初音様のお役にたてる・・・・・・!!
*
「雪、初音知らない?」
私は雪に声をかけた。ボーッとしているから、驚かせてやろうと思ったが、お茶を持っていたのでやめた。こぼれたら困るじゃないですか。
雪はいつものように無表情で私を見た。
「初音様なら、神社のほうに行かれたと思います」
「神社?・・・そう、ありがとう」
てくてくと、神社の方に向かうと本当に初音がいた。初音のまわりには三人ほどの男女がいて、初音と何か話をしている。初音はいつもの巫女装束で、いつもの笑顔で微笑んでいる。
「初音ー!」
「お、花百。起きて大丈夫なのか」
「勿論ですともっ!」
初音とまわりの男女は少し笑った。
「なら、弥生と茶でもしてろ。弥生も喜ぶだろう」
*
待てよ、花百さんが人間でないとしたら、魁さんも人間ではないだろう。兄妹なのだから・・・!じゃあ、二人そろって封印してあげましょう。平和のために。
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