ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: エミルのロッカー☆第七話更新☆ ( No.12 )
- 日時: 2010/02/04 06:53
- 名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)
第八話『死音+ルメナ+エミル=運命共同体』
エミルの言葉に野生の勘が鋭くなったのか、ルメナさんも隣で、残り500m全力疾走に参加した。
「って、エミル!何で、こうなってるの!?」
エミルは今まで出したことが無いスピードで走りながら答える。
「カクカクシカジカなんです!!」
これでわかっちゃうもんなんです。
「えぇ!!!ア、アトリエ!?そ、そ、そんな……」
ルメナさん……。何かすごく落ち込んでるように見える……。
「ア、アトリエなら、誘ってくれたなら私がいっしょに申請しても、良かったのに……」
ルメナさんの顔色が一気に悪くなってる。
もしかして、空いてるアトリエが無いのかな?だったら、今、僕が所属することになってる。あのアトリエに誘ってあげてもいいかもしれない。
「っていうか!何でその子はあんたのロッカーに入ってたの!?」
あっ、そういえば……。なんていうか赤髪の彼女の綺麗な顔を見ていたら、思い出さなきゃいけないところを忘れていた。
「いや……。まぁ……あはは」
坂は残り400m。書店はもう見えていた。その書店は大きな風見鶏がシンボルになっており、取り扱う本の幅が多いために利用者も、かなり多い。漫画から魔道書まであるので、学校から此処に向かう人間も後を絶たないのである。
とにかく、そこを目指してダッシュ!ダッシュ!
残り400mのところをまた、見知ってる人影が見えた。
まだ、春なのに口元が隠れる襟の黒いコートを着て、黒いデニムのジーンズを着ている。髪も黒いために全身黒ずくめになっている。
誰が見ても、二枚目の顔が体ごと後ろに向く。
炎をも凍てつかせる黒いの瞳がこっちを向いた。某忍者漫画のサスケのような、クールな立ち振る舞いに、近寄りがたいオーラが出ている。
彼の名は神夜 死音……。
そう、名前とその風貌通り。彼は……。
「うわーーー!!これって何なんですか!?マラソンなんですか!?エミル君!」
天才でもクールなキャラでもなかった……。
僕の親友である。こんな見た目をしてる彼だが、性格は反面、内気で、弱気で、人見知りで、女子にも力で負けちゃうような人であった……。決して見た目どおりの性格では無い。
趣味も料理、裁縫、編み物といった感じで、まぁ、それでも女子にはモテてはいるのだ。その……見た目と中身のギャップ差とかで……。
とまぁ、どうにもこうにも頼れない味方がまた付いた。
