ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: エミルのロッカー☆第八話更新☆ ( No.13 )
- 日時: 2010/02/11 06:29
- 名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)
第九話『壁+タイミング+風見鶏=引っかかる』
依然、怒りで興奮したオスのイノシシ達は僕らを追いかけていた。そんなことはどうでもいいことでも……ない。このまま突っ込めば、書店には牛祭りのコース内で営業してたんですか?とか言わないと見逃してはくれないだろう……。
止める方法といえば、一つ二つは思いつくのだが……。
手元に魔道書が無い……。あるのはジャンプ代の小銭……。
あれが無いと何も出来ない自分は非力すぎだ……。
「エ、エ、エミル君!あれを見てください!!」
死音君が指差す方向には一人の男が立っていた。
僕らが目指す書店の入り口から、まるで王様が城の置くから、
顔を出すかのように、霧崎 リュウガはそこに立っていた。
お世辞じゃ無くとも二枚目と言えるその顔、それを勿体無くしてるような寝癖をそのままにしたようなボサボサの髪と死んだ魚のようなやる気の無い目。手には何かの本が結構な量で入っている。
彼の目がこっちを向く。
男子生徒の大群と前を走る三人を見て何を思ったのか、後ろポケットから、一枚の紙を取り出す。
ちなみに僕達は書店まで、後100m。
後80……。50……。30……。
霧崎 リュウガは取り出した紙を地面に投げ置いた。その紙には丸と文字と線が入り乱れている魔法陣が書いてある。
とか言ってるうちに後10mだったりする……。
魔法陣が輝く。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
魔法陣の紙が燃えてなくなり、そこから壁が生えるように地面か
らそびえ立つ。
男子の大群は砂鉄が磁石にどんどん引っ付いていくように壁へ壁へと後ろから突撃している。きっと前の男子は潰れてミンチになってるだろう。後、お肉のミンチを使う料理ならやはるりハンバーグだ。
さて、エミルはというと……。
風見鶏の矢の部分に引っかかってたりする……。
「いやーー……。まさか、自分の足の下から壁が生えてくるなんて……」
そう、タイミング良く、壁はエミルの足が付いた瞬間に生えてきたのだった。
そのままエミルはジャンプして、今に至る。
「いやーー。良い景色……」
現実逃避してる場合か。
「ジャンプ……。買わなきゃな……」
下では、一度壁にぶつかった死音君とルメナさんが男子の大群からエミルを探してたりする。そして、ラノベを大量買いしたリュウガはエミルの居場所を知っていながらも教えない。いや、教える気が無い。
今日が平和なら、明日は超平和であってほしいと思うエミルであった。
