ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ソーサリス達の活動表 ( No.2 )
日時: 2010/01/17 19:13
名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)

第一話 ロッカー+美少女=謎

男子用のロッカールームの一つのロッカーの前に一人男子生徒が佇んでいた。他から見たら完全にボケてるか、ポカンとしているようにしか見えない表情で、ドアが開いたロッカーの中を見つめていたのだった。

自分のロッカーの中に美少女が居た。

それも”学校の中で”とかそんな小規模の美少女じゃない。
言うならば、世界。いや……宇宙規模。いや、どの小説、ラノベ、アニメ、ドラマ、ゲーム今まで見てきた少女を比べても、確実に比べ物にならないというレベルだ。

自分の白い髪に赤の絵の具をチューブから直接塗ったような朱色の髪と深海色の深い深いブルーの瞳をした美少女が何故、僕のロッカーに三角座りしているのだろうか。
ちなみに少女はミニスカなので、パンツが見えてしまっている。
さらに言えば、色は水色と白のストライプ。

「あ……」

“バタン”と鉄製ロッカーの扉を閉める。

いつ僕は秘密の部屋の巻で、出てくる何とかパウダーの出入り口にしたんだろうか?いや、してない、してない。

うん、確かに人が入れそうな大きさだよね。このロッカー。
でも、普通は人が入ってるなんてありえないよね。しかも美少女が僕のロッカーに入ってるわけがない。きっと夢だ。幻覚だ。

こういうのって“美少女ゲームのやりすぎ”とか言うんだろうけど、人生のうち、美少女ゲームに類するものは2つしかやったことがない。
しかもその一つは選択肢を即決定すれば、5分で1ルートを攻略出来てしまい。

“あれ?これ、美少女ゲーム?”と首を傾げてしまう物だった。

もうひとつはストーリーがパッとしない内容で、それでもってルートも少なめで、これも美少女ゲームかと言えば、首を傾げてしまうものだった。なので、人生においてしっかりとした美少女ゲームをやったかといえばほとんど皆無になる。

他にやったゲームといえば、携帯ゲームの某狩りゲーを存分にやり込んだのはまだ、記憶に新しい。この学校の受験のために勉強する合間にちょくちょくとやったりしていた。ほとんど一人だったけど……。

って……。あれ、何の話をしてたんだったけ?

あ、そうだった自分は“美少女ゲームのやりすぎ”じゃないってこと言ってたんだよね。うん。

多分、疲れてるんだ。入学したてで。
だから、あんな幻覚を見たのかもしれない。大体此処は七百七十七不思議でも足りない魔法学校。嘆きのマートル的存在が居てもおかしくない。まぁ、居たなら美少女だけど。

「うん、きっとそうに違いないよね」

美少女が入ってるわけがない。(もしかしたら幽体離脱したのはいるかもしれない)

自分にそう言い聞かせてもう一度ロッカーの扉を開ける。

でもやっぱり居た。目線と目線が、赤外線同士が合致するように両目ばっちり合ってしまっている。ちなみに体は全然透けてない。

「どうも、こんにちわ」

見た目とマッチした綺麗な声。

「あ。あぁ……こんにちわ。じゃなくて!えーっと……誰?」