ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: エミルのロッカー ( No.9 )
- 日時: 2010/01/28 06:23
- 名前: ヨシュアさん ◆FdjQaNCWZs (ID: bQobMYPz)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=13425
第五話『記憶×美少女×ロッカー=思い出す』
「で〜。まだ、質問あるんですか?」
黒いあのノートはまた、引き出しの中へと封印された。
「僕がここに居る理由なんですが……」
介抱してくれたと思われる三人のうち二人、ショートとツインテー
ルの子が、答えた。ちなみにタバスコとレモン汁は火に掛けられており、もう、それを見るだけで、目に沁みてくる。
「あれ、覚えてないの?」
「体が吹っ飛んだ時、同時に記憶も吹っ飛んだのか?」
はぁ……?と言う感じの言葉を出して、自分の記憶を隅々まで、思い出してみる。
「タオル……」
この中で最も美しいの代名詞となる赤髪の少女が、代えのタオルを持ってきてくれた。それをまた両目に当てる。
うん、思い出した。思い出したよ。
ずっと頭の中に引っかかっていたロッカーと美少女というキーワードがやっと繋がった。
「思い……出しました」
「そうですか。他に質問ありますか?」
ポニーの子が腕組して言った。
「ん?そういや名前を聞いてないか」
ショートの子の言葉は僕が聞きたかった四つ目の質問だった。
「あぁ……僕はエミリオン・リヴァンスです。えっと……あなた達は……」
「あたしはイフィレーテ・トリテ。まぁ、皆にイフィルって呼ばれてるよ」
ショートの子が、そう言って続ける。
「で、あっちのツインテールが叶宮 流衣ね」
名前を言われて、手を振ってくれる。ただ、その左手に持っている謎の液体を、近づけないでほしい……。
「それで、次にあの金色ポニーテールがジュリア」
名前を呼ばれた本人は何やら引き出しを“ガサコソ”している。
「そんで……最後がうちのアトリエリーダー……」
名前を呼ばれるであろう彼女が僕を見ていた。ロッカーでの時と同じように目線が合った。彼女の顔は美しく、一瞬が、何億倍の時間に感じた。
ただ、顔が熱くなるのを感じて、すぐに目を逸らしてしまう。
「リフィス・ティーナよ」
