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ソルト 第1章 〜廃坑の街〜 ( No.7 )
日時: 2010/01/17 21:17
名前: 蒼緋 ◆QdmU9GKv4w (ID: l4scGqhv)

   〜*〜*〜*〜 

 この国は、どうしてこんなにも不穏な感じがするのだろうか。
フレイトと名のついた王国はかつて、華やかで穏便な国だと聞いた。
世界の中でも、美しさにおいて指折りクラスなはずだ。
しかし、目の前に広がる風景は、そんな話から遙かに遠いものだった。
家は錆びれ、木々は枯れ果て、黒い霧のようなものに包まれている。人の気配も感じられない。
 そんな中に二人の人影があった。
一人は黒い服に黒いコート黒い靴に黒いズボン、髪までも黒な青年、よくみると眼だけは深い色をしている。
もう一人は、白銀の髪に白を重心とした少女だ。
なんともいえなく対象的な二人だ。
「こんな所に本当にあれがあるのか?」青年が話しかけた。
「はい、あります。この紋様はソルトが知っての通り、間違えたことはないですから。」
少女ははっきりといいきった。
「カナルの言う通りだろうな。」ソルトは軽くあやまった。