ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 刃 ( No.19 )
日時: 2010/02/06 12:38
名前: right (ID: zuIQnuvt)
参照: 『刃』はご覧のスポンサーの提供でお送りしています。byリュウ

Ⅲ.Ryu 前半

この世は九割が絶望で、残りの一割が希望で構成されている。俺はその一割の希望を信じて、今まで生き残ってきた。
でも、今更知った。
俺は馬鹿で愚かなキリスト信仰者でしかなかった。
『カミサマ』なんていたら一度は拝んでみたいが、そんなのいるはずない。

この世は絶望でしかないことを、俺は知った。

希望なんて、ない。


『リュウ』。
組織の中で唯一恐れられている、最強で最凶の『死神』の名前。人間とは思えないほどの力を持っている。だが、彼は勝者になろうとしない。
彼は、楽しんでいるらしい。この『ゲーム』を。
『地獄』を。


ヒトなんかに興味はない。
俺を楽しませてくれるヤツなら興味はある。
一人、いる。
アイツだ。
日本刀を持った、『savior』。
救世主。
ああ、戦いたい、戦いたい、戦いたい、戦いたい、戦いたい、戦いたい、戦いたい。
普段よりも倍以上の狂気が彼の脳を支配した。抑えられない、抑えてはいけない、抑えるな、むしろもっとだ。もっと、もっと俺を支配しろ、もう一人の俺。戦うんだ、さあ戦え。

存分に。

いつも無表情の彼が、
『笑った』。

             続く