ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 刃 第二章開始 ( No.203 )
日時: 2010/02/12 18:36
名前: right (ID: zuIQnuvt)
参照: 『刃』はご覧のスポンサーの提供でお送りしています。by架月

第二章 プロローグ

降りしきる、雨。

俺は窓から灰色の空を見つめていた。

真っ白な何もない部屋。

ミヅキは俺の隣にいた。

その小さな手を握り締めて、一緒に眠った。

小さい頃の記憶はそれぐらいしかない。

なぜ、俺たち兄弟はあの真っ白な部屋にいたんだろう。

——記憶が、ばらばらになっていく。

日を追うごとに、少しずつ、少しずつ。

その理由はわからない。