ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 刃 ( No.75 )
- 日時: 2010/02/23 16:22
- 名前: right (ID: zuIQnuvt)
- 参照: 『刃』はご覧のスポンサーの提供でお送りしています。by総統
Ⅶ.交差『クロス』後半
「ミヅキがテロ組織なんかにいるわけない!!ウソだ、ウソだ!!」
それでもそいつは、首を縦に振らなかった。
daker and daker
同時刻。
『総統』が、約二ヶ月ぶりにイギリスからここ日本に帰って来た。
それは、俺たち『犬』が外に解き放たれることを意味する。早く、早く、早く、『あの言葉』を言ってよ。
『総統』と呼ばれる男が、彼ら組織員、もとい幹部たちを誰も知らない、どこかにあるアジトの広間へ集めた。集まった人数は十人。
「最近、反テロ組織『鷹』が動き始めている。私達の邪魔をさせないように、潰して来い。では」
一瞬の沈黙。
そして——
「狩り、開始」
血に飢えた『犬』たちが動き出した。
「『ミヅキ』について知りたいのならば‥‥ここに入ってください。それが条件です」
やっぱり、な。
「‥‥」
ミヅキ。
何で、こんなことに。お前は、何がしたいんだよ。
「まあ、本当は入ってもらわなければこちらとしても、多少は困るんですけどねえ」
もういい、ヤケクソだ。入ってやるよ。俺はミヅキについて知りたい。ただ、それだけだ。
「‥‥わかった、入る」
「そうですか、それはうれしいことです」
「こっちにも条件がある」
ヤツの目が俺の顔を見た。
目に輝きがない。笑っていない。でもニコニコしている。何なんだ、この男。
まるで、仮面を被っているような顔だ。
「ミヅキについては全部、包み隠さず話してもらう。もちろん、これから入る情報もだ」
「ふむ、そう来ましたか。‥‥いいですよ」
意外に素直だ。
しかし。
「この僕に勝ったら、これからの情報は全てあなたに伝えます」
つまり、俺の実力を試すってことか。テロ組織に対抗できる力を持っているか、それとも、屑か。なかなか考えるな、こいつ。
「ああ、言い忘れてましたが、僕は金城心葉と言います。以後お見知りおきを」
「俺は橋田架月だ」
続く