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Re: 〜アビリティワールド 第1章 逃亡の果て〜4話うp ( No.13 )
日時: 2010/01/22 16:08
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

5話   『新たなる脱獄者』

廃墟

優太はあれから1時間、ティム・シャロンの帰宅を待っていた。
金髪の女性、巨漢の男、鈴香、アレックは無言でティムの帰りを待っている。
沈黙が続いていたが、アレックがその沈黙を破った。
「あんた、能力は?」
「体の色々なところを刃物に変えれる。」
優太はアレックに言うと、隣に立っている金髪の女性と巨漢の男に目を移動させた。
「あんた達、名前は?」
「ニックス・アドルファスだ。」
「私はエイミー・シニード。」
優太は名前を聞くと、鈴香に視線を向ける。
「ところで、あんたらのボスのまだ帰らないのか?」
「・・・・うん。もう帰ってきてもいいと思うけど・・・」
鈴香がそう言ったその時だった。

「この建物にいる能力者達の告ぐ!!無駄な抵抗をやめて出てこい!!」

突然、外から声が聞こえ、ニックスが窓から外を見る。
下には武装した自衛隊が約50名、こちらに向かって銃を構えている。
「なぜバレてる!?」
「さ、さあ?やばくない?逃げようよ!!」
アレックは慌ててドアを指さす。
「だげど、ボスは・・・」
「ボスは大丈夫よ。みんな、今はここから早く逃げましょ。」
「でも、マンションの入り口は奴らが・・・」
優太が全員に言うと、エイミーがニヤリと笑った。
「私の能力があれば大丈夫よ。」
エイミーはそういうと、片手を出した。
「みんな、私に触れて。」
全員が言われるがままにエイミーの手に触れる。
「早くして。」
優太もエイミーの手を触れた。
その瞬間、5人はその場から煙のように消えた。

**********

‘ペンタゴン 地上35階 危険能力者隔離フロア’

優太の脱獄以来、警備が強まったこのフロアのとある牢屋に一人の男がいた。
「おい!!飯だ。」
看守がドアを開き、ご飯を床に置くとすぐにドアを閉めた。
男はベットに座ってご飯を見つめている。
すると、ご飯が勝手に空中に浮きそのまま壁にたたきつけられた。
「署長も馬鹿だな・・・トレバーを辞めさせるとは・・・・」
男は立ち上がり、壁の方を向く。
「こっちが外か・・・」
男は両手を壁に向け、目をつぶり集中し始める。

ピシッ!!

壁の中心に亀裂が入る。その亀裂は壁全体に広がっていく。
「砕けろ!!」

ズドォォォォォォォオン!!!!!!!!

男が叫んだと同時に、壁が音を出して崩れた。
男の目の前に暗雲が広がる東京の街が現れた。
「はっはっはっはっは!!!!!!」
男は外に顔を出す。
すると、両脇の壁も崩れたらしく、二人の男性と目があった。
「へぇ〜。あんたがやったのか?」
「あぁ。」
「やりますね♪」
男は二人を見ると、ニヤリと笑った。
「いっしょに行くか?」
「いいだろう。あんたについて行くよ。」
「僕も同感です。」
3人は不気味に微笑み、その場から飛び降りた。
「全員、この俺につかまれ!!」
スキンヘッドの男が2人に叫ぶ。
「名前は?」
「俺はパトリック・オーランド。瞬間移動が使える。そっちのあんちゃんは?」
「僕はクインシー・レジナルド。水を操れます。あなたの名は・・?」
クインシーは脱獄を成功させた男の顔を見る。
「俺は・・・テオボルトだ・・・・。テオボルト・マティアス。」
テオボルトがそう言うと、3人は空中から姿を消した。


現在、ペンタゴンからの脱獄者6名_____


‘神宮優太
テオボルト・マティアス
クインシー・レジナンド
パトリック・オーランド’


残り2名は、もう少し物語が進めば明らかになります。