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- Re: 〜アビリティワールド 第1章 逃亡の果て〜6話うp ( No.22 )
- 日時: 2010/01/23 11:03
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
7話 『殺し屋‘十戒衆’』
ペンタゴン 日本支部 最上階 署長室
工藤龍馬は窓の外を見ながら誰かとしゃべっていた。
「まさか、君らが来るとはな・・・」
「工藤署長。ノア大統領はあなたに失望さているんですよ。ほかの受刑者はともかく、神宮優太を逃がしなんて。」
スーツを着て赤色のスポーツサングラスをした天地人は工藤に言い放つ。
工藤は無言のままだ。
「今日から、このペンタゴンに十戒衆の人間が4人配置されます。星風人、創造人、太陽人、そして私天地人がここを管理します。」
天地人は立ち上がり、工藤の隣に立つ。
工藤は小刻みに震えていた。
「次に失敗すれば、退職で済まされませんよ・・・」
天地人は笑いながら言うと、ドアへと向かった。
しかし、何か思いついたのかピタリと足を止める。
「あぁ。そう言えば、トレバー看守長の姿が見当たりませんが?」
「彼は・・・・辞めた・・・・」
「・・・・そうですか。」
天地人はニヤリと笑い、署長室を後にした。
**********
高知県
鈴香の突然の裏切りに、全員の体が硬直していた。
「あの野郎、絶対に殺してやる・・・」
ニックスは拳を地面にたたきつけながら言った。
「これから、どうするのですか・・・ボス。」
エイミーは佇んでいる七海に聞く。
「優太、あなたはどうしたいの?」
「勿論、政府に反逆したい。だが、これだけでは戦力にもならない。」
優太の考えに、全員が賛同する。
5人で政府に攻撃を仕掛けるのは無理がある。
「・・・仲間探しをする?」と七海が優太に言う。
「だけど、日本に能力者はほとんど・・・・」
アレックは途中で口の動きが止まる。
ニックスとエイミーは首をかしげた。
しかし、優太はニヤリと笑う。
「七海、お前の考えていること、まさかと思うが・・・」
「えぇ。能力者がいる場所はあそこしかない。」
「ま、まさか・・・・」
「ペンタゴンに行こう。」
七海のその言葉に、アレック、エイミー、ニックスの動きが止まった。
「はぁ!?」
「能力者はあそこにしかいないでしょ。日本内なら。」
「し、しかし、どうやって入るのですか?」
ニックスの質問に、七海はエイミーに指をさす。
七海の作戦はこのようなものだった。
まず、ペンタゴンの屋外にエイミーの能力で移動。
そのあとは、能力者がいるフロア目指して突き進む。
アバウトな作戦で無理がありそうだが、この作戦しかないだろう。
「じゃ、じゃあ、まじでやるのかよ。」
「そうよ。一旦東京に戻りましょう。」
エイミーは渋々左手を出し、全員が手に触れる。
そして、その場から消えた。
**********
ペンタゴン 日本支部
ペンタゴン正面玄関には、天地人、星風人、太陽人、創造人がいた。
「星風人、お前は地下のフロア全域を担当。太陽人、お前はペンタゴン周辺の警備担当。」
天地人が星風人と太陽人を指さして言う。
全員が40半ばの年齢だが、若さが衰えていない。
この4人は政府が作った能力者集団の殺し屋。
全員が能力持ちで、殺しに慣れている。
「私と創造人は、地上のフロア全域を担当。全員配置に着け。」
「はいよ〜い」
「おっけー!!」
「わかった。」
星風人、天地人、創造人はペンタゴンの中へ。
太陽人は正面玄関の前に立ち、周りを見渡した。
「まったく、なんで俺が。」
太陽人は正面玄関の両脇に立っている看守2人に目を向ける。
「お前らも実際大変だろう?」
太陽人が質問すると、看守二人はどう答えていいか分からず慌てる。
「い、いえ!!自分たちはこの仕事に誇りを持っていますので!!」
「・・・ふぅ〜ん。」
太陽人はため息をつき、空を見上げた。
相変わらずの暗雲だらけの空だ。
「まったく、暇な世界になったな。」
太陽人はそう言うと、その場にしゃがみ込み・・・寝た。
**********
「あれが・・・ペンタゴン・・・?」
ペンタゴンのすぐに近くにある建物の陰から何者かがペンタゴンを見ていた。
「シーカー、もう少しで作戦を実行しよう。」
謎の人物は振り向き、後ろに立っている男に言う。
「そうだな。そろそろ始めるか。」
ペンタゴン崩壊プログラム_____