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- Re: 〜アビリティワールド 第1章 逃亡の果て〜13話更新♪ ( No.44 )
- 日時: 2010/02/16 21:13
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
14話 『本当の世界』
優太とノアはその場から走りだす。
優太はノアの首めがけて刃物と化した自分の手を振る。
しかし、ノアはそれを避けて黒い煙となった。
「私には勝てない!!諦めろ!!」
「黙れ!!お前を殺して世界を治すんだよ!!」
優太の言葉を聞くと、ノアは大声で笑う。
「はっはっはっは!!!!世界を治すぅ?ふざけるな!!」
ノアが攻撃しようとしたその時、横からニックスがノアの顔面を殴る。
「うぐっ!」
「優太さん!!ここは我々が!!」
優太の目の前にアレック、エイミー、ニックスが立つ。
「あなたはボスとともに岩野という男を!!」
エイミーの言葉で優太は辺りを見渡す。
いつの間にか、岩野と七海がいなくなっている。
「早く!!」
「分かった。ありがとう。」
優太はお礼を言うと、その場から走り去った。
と、同時にノアが顔を押さえながら立ち上がる。
「お、お前ら・・・・」
「てやぁぁぁぁ!!!!!!」
ノアが立ちあがった瞬間、シーカーと団員達がノアに襲いかかる。
「俺らも助太刀するぜ!!」
「誰か知らんがありがたい!!」
ニックスたちはノアに襲いかかる。
「ここは頼んだぞ。シーカー!!」
「早く行って!!」
バーカスは頷くと、優太の後を追いかけた。
**********
「岩野!!」
七海が目の前で口を押さえながら逃げる岩野に叫ぶ。
岩野は先ほどのニックスの攻撃で肺をやられているようだった。
呼吸の仕方がおかしい。
「く、くるなぁ!!俺は、もう戻れないんだよ!!」
岩野は口から流れ出る血を吐き出しながら言う。
「大丈夫だよ・・・・。優太も。こっちに戻ってきて・・・・」
七海が涙を零しながら岩野に言う。
しかし、岩野は首を横に振り拒絶した。
「う、嘘だ・・・。裏切った上に敵に寝返ったんだ・・・。七海が許しても、優太が許さない・・・」
岩野は泣きながら、目の前にある原子力発電所に駆け込んだ。
七海も慌てて追いかける。
中に入ると、中央に謎の液体が入った球状の物体があった。
その物体にはコードやら意味のわからない機械がくっついている。
岩野は階段を上り、上へと逃げていた。
「岩野!!もういいよ!!!」
七海が涙を出しながら叫ぶが、岩野は足を止めない。
その時、優太が建物の中に入ってきた。
「七海!!」
七海は優太の方を向くと、岩野に指をさす。
「行くぞ!!」
2人は岩野を追いかける。
カンカンカン!!
階段を音を立てながら上がり、3人は最上階の5階に着いた。
岩野は口を押さえながら、屋上へとつながる階段を上がっていってる。
「待て!!」
優太と七海が何を言うと、岩野は無視してどこかを目指す。
2人が屋上に着くと、岩野は金網を超えて足幅数センチというところに立っていた。
「岩野!!」
「くるなよ!!優太・・・俺はもうダメなんだ・・・」
岩野は泣きながら優太に言う。
「そんなことはない!!今からゼロに復讐すれば・・・」
「彼は強い。俺は5年以上あいつのもとで働いていたが、優太たちが思っているより遥かに強くなっている。」
岩野はそう言うと、暗雲の空を見上げる。
「いつの日か、またみんなで青い空を見たかったよ。」
岩野の言葉に2人は何も言えない。
「俺はもう駄目だ・・・。すまない、優太。」
「岩野恭祐!!」
優太は突然、岩野の名前を叫ぶ。
岩野は驚き、それ以上に隣にいた七海が驚いていた。
「いっしょに世界を救えば、それが死んでいった仲間たちのためになる。だから、死ぬんじゃない。」
岩野は優太の言葉を聞くと、泣き叫んだ。
2人は岩野に近づく。
「優太、俺は・・・・」
その時だった。
「レーザースター!!」
聞き覚えのある声と同時に、レーザーが岩野の頭を貫通した。
「え?」
優太と七海は一瞬、動きが止まる。
「岩野・・・・」
「優・・・太・・・・」
岩野は目をカッと開いたまま、屋上から落ちて行った。
後ろを振り向くと、星風人、創造人がいた。
「よくも・・・よくもぉぉぉ!!!」
優太が血相を変えて星風人に襲いかかる。
「ブレインコントロール」
創造人が両手を前に出し、優太の動きを止めた。
「くっそ!!!!」
「残念だが、振り出しに戻るだ。」
星風人が不気味に笑うと同時に、優太の頭が地面にたたきつけられた。
「優太!!」
「お前も終わりだ。高橋七海。」
創造人は七海の腹を殴る。
七海は気絶し、優太の隣に倒れた。
「こいつららは、大統領に届けるぞ。」
星風人はそう言うと、2人を抱えてその場を後にした。
**********
ノアはトラックの上に平然と座っていた。
「う・・・・あ・・・・・」
周りには血まみれとなったニックス達と団員達が無残に転がっている。
「口だけだな。威勢がいいのは。」
ノアがそう言うと同時に、鈴香と天骸人が帰ってきた。
2人は首の骨を鳴らしながらノアの前に立つ。
「敵は?」
「俺についてきた敵二人は適当な場所に瞬間移動させた。」
「私と戦っていた奴は途中で逃げたわ。」
「そうか。」
ノアは頷くと、辺りを見渡す。
「お前らは、逃げて行ったチャールズとブラックバーンを探せ。」
「了解。」
二人は頭を下げると、その場を後にした。
ノアはポケットから携帯を取り出し、どこかに電話をかける。
プルルル♪プルルル♪
『私だ』
『大統領。ご用件は?』
『二機のステルスに、日本神奈川県の原子力発電所を攻撃するように命じろ』
『はっ!!かしこまりました』
携帯の電源を切ると、ノアはニヤリと笑った。
「新たな始まりだ。やはりお前の負けのようだよ。」
神宮優太_______