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Re: 〜アビリティワールド 第1章 逃亡の果て〜 ( No.6 )
日時: 2010/01/21 15:49
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

3話  『3度目の脱獄 VSトレバー』

優太は20階の長い廊下を歩いていた。
前後には相変わらず看守二人ずつ、手足は封じられている。
チャンスは牢屋で手足の封を解かれるときしかない。
しばらく歩き、優太は自分の牢屋の前に着いた。
一人が足、もう一人が手錠を取ろうとした。
その時だった。
優太は手足が自由になった瞬間、二人の看守を殴り蹴り飛ばした。
「な!?」
優太は休まず、前方にいた残り二人の看守の腹を殴る。
「まだまだ現役だ。」
「あ・・・が・・・」
看守二人はその場に気絶。
優太は看守の持っていた拳銃とショットガンをとり、先を進んだ。
‘このフロアにある赤いドアに希望がある’
優太は心の中でそう信じ、廊下を懸命に駆け抜ける。
しかし、赤いドアはどこにもない。
優太は長い廊下を走りぬくと、大きな広間に出た。
広間には看守専用のソファーや灰皿がある。
だが、看守がいない。不気味なほど静かだ。
「・・・?へぇ〜、あんたは・・・・」
優太の目の前の扉が開き、一人の大柄な男が現れた。
「また脱獄する気か?神宮優太・・・」
「これはこれは。トレバー・ヴァレンティーン署長。あっ!今は看守長か。」
優太は嫌みのようにトレバーに言う。
トレバーは両手をプルプルと震わせながら優太に一歩近づく。
「お前を殺すためにペンタゴンに来たんだ。署長の座は、お前のせいでもらえなかったんだよ!!」
トレバーは怒鳴ると優太に向かって走ってきた。
「ちっ!こっちは能力使えないのに!!」
優太は腰にある拳銃をトレバーに向ける。
「無駄だぁぁぁぁあ!!!!!!」
トレバーの右手が突然大きくなり、そのまま優太に向かってくる。
大きさは簡単に優太をつぶすほどの大きさだ。
「マジかよ!!」
優太はすぐに左避ける。

ズゥゥゥゥゥン!!!!

地面が大きく凹み、トレバーの右手は元の大きさにもどった。
「お前の好きにゃあさせんぞぉぉ!!3度も脱獄させるかぁぁぁあ!!!!」
「うらぁ!!」
優太は3発発砲。体に直撃したがビクともしない。
「防弾チョッキか・・・」
トレバーは怯まず再び優太に向かって走ってくる。
能力もない、拳銃も使い物にならない。
「くそったれ!!」
優太はすぐ近くにある違う廊下に逃げた。
倒せない相手に挑んでもどうしようもできない。
それなら、逃げながら赤いドアを見つけるしかない。
「待てぇぇぇぇ!!!」
トレバーは顔色を変えて向かってくる。
優太は見渡しながら逃げていた。
すると、ほかの扉とは違いドアノブから全部まで真っ赤のドアがあった。
「ここか!!」
優太はガッツポーズをし、ドアを蹴り開けた。
中には天井に意味のわからないコードやなんやらが張り巡らされている。
そのコードは壁を伝い、タンスのようなものにつながっている。
タンスの横にはパソコンが置かれてある。
「な、なんだこれは?」
優太はパソコンに近づき、画面を見る。

‘瞬間移動装置 作動させますか YES NO’

「しゅ、瞬間移動装置!?」
優太は目をパチクリさせ、タンスの中を見る。
よく見れば、この装置は塗装されている。
「なーるほど。これで逃げろってか。」
優太はすぐに‘YES’の方をクリックし、装置に駆け込んだ。
と、同時にトレバーが駆け込んできた。
「ま、待て!!逃がさんぞぉぉぉぉ!!!!」
トレバーが叫んだその瞬間だった。
装置の中が青白く光り、優太を包み込んだ。
「うぐっ!!」
トレバーは目を押さえ、もう一度装置を見る。
しかし、もう優太はトレバーの目の前からいなくなっていた。

「く、くそぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!!!」

トレバーは装置を殴り壊し、大きく吠えた。