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Re: 〜アビリティワールド 最終章 人類の運命〜19話更新♪ ( No.73 )
日時: 2010/03/23 11:09
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

20話 『最終決戦その1 VSミラー・モンクトン』

アメリカ ニューヨーク 自由の女神前

自由の女神が立つリバティ-アイランドに優太達は現れた。
「着いたぞ・・・・あれ?」
しかし、現れたのは優太と天地人とパトリックだけだった。
「おい!!ほかの奴らはどこだ?」
天地人がパトリックに言うが、パトリックはキョトンとしている。
優太も辺りを見渡すが、人一人もいない風景だった。
しばらくすると、天地人が空を見上げて二人に言った。
「おそらく、原因はあれか・・・」
2人が空を見上げると、アメリカの上空の空も崩壊し続けていた。
「これからどうする?俺は優太に従えとテオボルトに言われてる。」
「俺は敵の場所を知らない。」
「谷瀬和馬はホワイトハウスにいるはずだ。そこに向かうぞ。」
3人が足を動かしたその時だった。

「ホワイトハウスには行かせない。」

3人の目の前に金髪で耳にピアスをしたミラー・モンクトンが現れた。
「・・・お前は確か、ミラー・モンクトン。」
「知ってんのか?」
パトリックが聞くと、天地人が頷いた。
「あぁ。ラットイスケイプの脱獄者だ。」
ミラーは不気味に笑うと、両手から小型のブラックホールを創る。
すると、周りの風向きが異様に変わり始めた。
3人は戦闘態勢に入り、優太は右手を刃物に変える。
「優太、知ってると思うが私たちは接近戦むけではない。後ろから援護するから頼むぞ。」
「分かってるよ。」
優太を先頭に天地人とパトリックは後ろに並ぶ。
「まさか、お前と組んで戦うとはね。思ってもなかったよ。」
「私もだよ。」
「行くぜ!!」
3人はミラーに向かって走り出す。
「くたばれ!!」

ブォォォォォォォン!!!!!!!!!!!

ミラーがブラックホールをその場に出す。
しかし、優太は引力を利用してミラーの目の前に現れた。
「なっ!!」
「なめんなぁ!!」

グサッ!!ブシュ!!

優太の刃物と化した右手がミラーの腹を貫く。
「ぐぅぅぅぅ!!!!」
ミラーは刃物を抜くと素早く後ろに下がった。
「へっへっへっ・・・。さすがだな・・・。」
ミラーの表情を見て天地人は首を傾げる。
「おい、2人とも注意しろ。何かする気だ。」
「俺はあいつの命令を失敗したら殺されるんだよ。それなら・・・」
ミラーは上の服を脱ぐ。
すると、ミラーの腹にある物が埋め込まれているのが見えた。
「それは!!まさか・・・・」

「シンストーン!?」

3人がミラーの腹に埋め込まれた拳サイズの青い石を見て愕然とする。
「あっひゃひゃひゃひゃ!!!!俺様を誰だと思ってる!?宇宙の帝王!!ミラー・モンクトンだぞぉぉぉぉ!!!!」
ミラーがそう叫ぶと、シンストーンがブラックホールに変わった。
「なっ!!」
3人はものすごい力の引力に驚き、周りの物にしがみつく。
ブラックホールは段々大きくなっていく。
ミラーの体も除々にブラックホールに飲み込まれていく。
「あいつ!!自滅する気か!?」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
ミラーはうめき声を出しながら、とうとうブラックホールに飲み込まれた。
と、同時にブラックホールも一瞬で消滅した。
3人はミラーの行動に唖然とした。
「俺らの戦う敵って・・・一体・・・・」
パトリックは地面に座り込むと、驚いた表情を隠せなかった。
「・・・優太、パトリック急ぐぞ。立ち止まる時間はない。」
天地人はそう言うと、先に足を進めて行った。
優太とパトリックも天地人の後を追いかけた。

**********

3人がホワイトハウスに行くのを、榛名が物陰から見ていた。
榛名は携帯を取り出すと、和馬に電話をかける。
『ミラーが失敗しました。』
『ふふふっ。想定内だよ。次は彼を向かわせろ。あいつは優太にかなり恨みがあるからね。君はアメリカに来た残りのメンバーを探せ。』
『了解』
榛名は電話を切ると、ポケットにしまった。
「優太・・・ごめん・・・・」
榛名はつぶやくと、涙を流してその場から消えた。