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Re: 〜アビリティワールド 最終章 人類の運命〜20話更新♪ ( No.74 )
日時: 2010/03/24 17:07
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

21話 『最終決戦その2 VSトレバー・ヴァレンティーン』

優太、パトリック、天地人はホワイトハウス目指して走っていた。
車道には無人の車、辺りには人の気配はない。
「にしても、一般市民はどこに消えたんだよ?」
「国境越えて違う国に逃げたんだろう。」
天地人は悲しそうな顔をして言う。
優太はその時、ある疑問が思い浮かんだ。
「天地人、次の大統領は誰になるんだ?」
「え?・・・そういえば、考えてないな・・・」
天地人は首を傾げながら言った。
その時だった。
「とまれ!!」
パトリックが叫ぶと、2人も車道のど真ん中で止まった。
3人の前方には、黒いコートを着た大柄な男が立っている。
「久しいな。神宮優太。」
「お前・・・」

「トレバー・ヴァレンティーン・・・・」

3人の目の前には、目が真っ赤に充血したトレバーがいた。
優太は唖然とした表情でトレバーを見た。
「ペンタゴンを解雇された後、まさか谷瀬の元へいったとはな・・・」
天地人がそう言うと、トレバーはニヤリと笑った。
「正直、あいつの作戦に手を貸すつもりはない。私の願いはただ一つ。神宮優太に復讐することだ。」
トレバーは両手を巨大化させる。
次は足、次は体、次は頭・・・・・・。
「おいおいおい・・・」
3人は思わず後ろに後に下がる。
トレバーの体は地上3階建ての建物と同じ大きさの体になった。
トレバーは3人を見下ろすと、片手を振り上げる。
「に、逃げろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
天地人の叫び声とともに、3人は狭い路地に逃げ込む。
トレバーは舌打ちをすると、容赦なく路地に突っ込んできた。
壁は轟音をたてて崩れ、3人は懸命に逃げる。
その時、パトリックが落下してきた瓦礫に足をつまずかせこけてしまった。
「パトリック!!」
「行け!!振り返るなぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
優太と天地人は一瞬後ろを振り返る。
と同時に、パトリックは巨大化したトレバーに踏みつぶされた。
周りに嫌な音が響くが、轟音でかき消された。
「くそっ!!」
2人は路地を抜けると、目の前に見えたバーガーショップに駆け込む。
トレバーも路地から出てきたが、2人の位置が見えていない。
巨大化した分、視線は下まで届いていないのだ。
「優太!!上から一気にたたみ掛けるぞ!!」
天地人が階段を指さして優太に言った。
2人は階段を駆けあがり、最上階の5階にたどり着いた。
優太は窓から顔を出す。
トレバーが車道で2人を酌まなく探していた。
「優太!!俺が注意をひきつけているうちに、上から頭に刃物をさせ。」
「・・・分かった。」
天地人は1階に戻ると、トレバーの目の前に現れた。
「奴はどこだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「誰が言うか。」
天地人はトレバーの股下に潜り込み、大きく叫んだ。
「いまだ!!優太!!」

「くたばれぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」

「敵が一人と思ったか?」

「え?」

優太が飛び降りたと同時に、突如目の前に星風人が姿を現す。
優太は空中で方向を変えれない。
「てめぇがくたばれ。」
星風人は優太の顔面を蹴り、優太は建物の壁を突き破って砂埃の中へ消えた。
「優太!!」
「黙れぇぇぇぇ!!!!!」
トレバーが右手で天地人を殴り飛ばした。
天地人は巨大化した拳を避けきれず、見事に命中した。
そのまま天地人は車道に止まっている車に突っ込み、気を失った。
星風人は地面に着陸すると、トレバーの方を向いて言った。
「お前は奴に恨みがあるのだろう?あいつのとどめは俺がやる。」
「分かった。」
トレバーは建物の中で倒れている優太のもとへ。
星風人は大破した車の上で気を失っている天地人のもとへ。
星風人は天地人の額に人差し指をつけると、ニヤリと笑った。
「俺らの勝ちだ。天地人・・・」
そして、星風人の人差し指から真っ赤なレーザーが発射した。

トレバーは建物の中で瓦礫に埋まっている優太を見つけると、外へ放り出した。
「うっ!!」
優太は地面に大きく叩きつけられ、トレバーに押さえつけられる。
「心配するな。一瞬で死ねるからな。」
トレバーは右手を大きく振りかざし、そのまま優太の体へ振り下ろした。