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Re: 〜アビリティワールド 最終章 人類の運命〜22話更新♪ ( No.76 )
日時: 2010/03/26 14:08
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

23話 『最終決戦その4 VSギボン・ホプキンス』

アメリカ キャピタル・ベルトウェイ

ホワイトハウスから1キロ地点に優太、天地人、トレバーは着いた。
3人の目の前には高さ100メートルほどの炎の壁。
天地人はニヤリと笑い、炎の壁に突っ込んだ。
その時だった。

ゴォォォォォォォ!!!!!!!

炎が天地人に襲いかかり、天地人は驚いて素早く避けた。
「な、どうなってる!?」
「その炎の壁は自分の意思を持っている。」
「え?」
優太と天地人はトレバーの言葉に唖然とした。
しかし、天地人はすぐにその原因が分かった。
「能力者か・・・」
「あぁ。L・Aと呼ばれる男が使っている能力だ。」
トレバーはそう言うと、炎の壁を見上げる。
優太と天地人も炎の壁を見上げた。
乗り越えるのは無理に近い。
3人が途方に暮れているその時だった。

「裏切り者がぁぁぁぁぁ!!!!!!」

3人の左からギボンが叫びながら両手から炎で攻撃する。
3人は突然の攻撃を反射的に交わす。
「トレバー、和馬を裏切る気か?」
「ギボン。お前もこっちに来い!!あいつに従ってわだめだ!!」
「うるさい!!裏切った殺されんだよ!!」
ギボンはコートを脱ぎすて、着ていたシャツを脱ぎ捨てる。
すると、ギボンの腹にはシンストーンが埋め込まれていた。
3人はギボンの腹を見ると愕然とした。
ミラーの時と同じ状態だ。このままでは・・・・
「死ぬ気か!!ギボン!!」
「あ?ミラーと俺は違う。俺様は能力なんかに飲み込まれやしない。」
ギボンの体が火だるまになる。
火だるまとなったギボンの背中から、真っ赤に燃えた羽が生える。
その姿は、まるで燃え盛る天使の姿だった。
「ギボンファイヤー Verエンジェル!!!」
ギボンは不気味に笑うと、その状態で3人に突っ込んできた。
ギボンは無茶苦茶に炎を体から噴射し、周りの建物を破壊しながら突っ込んでくる。
「やばい!!避けれないぞ!!」
3人はギボンの攻撃の範囲に圧倒され動けない。
その時だった。

「ギボォォォォォォォン!!!!!!!!」

建物の陰から、バーカスが突如現れギボンに飛びかかる。
「団長!?」
ギボンは驚き、バーカスが飛びかかったせいでバランスを崩しそのまま地面にたたきつけられた。
バーカスは燃え盛るギボンに触れても平気だった。
「優太!!お前らは先に行け!!」
「この炎の壁を超えるのは無理だ!!」

「先生に任せろ!!」

優太、トレバー、天地人の後ろにはいつの間にかジョンがいた。
「先生!!」
ジョンは両手から水を噴射し、炎を消す。
「いまだ!!」
4人は炎が鎮火している間に炎の壁を通り過ぎた。
取り残されたギボンとバーカスは車道で再びにらみ合う。
「団長、俺は裏切り者なんだ・・・。」
「分かってるよ。でも、今ならまだ助けてやる。」
バーカスがギボンに言うが、ギボンは首を横に振った。
「無理だよ。裏切れば、自動的にシンストーンの効力で植物状態になってしまう。」
バーカスはその言葉でギボンの腹を見る。
シンストーンは青く光り、まるで宝石のようだ。
「・・・ギボン。」
「団長。4人を追いかけてください。そして、あいつを、谷瀬和馬を・・・・」
ギボンが和馬の名前を出した時だった。

バタリ!!

ギボンは何の前触れもなく、その場に倒れこんだ。
バーカスは驚きギボンに駆け寄る。
ギボンは目を開いたまま、口からよだれを出してピクリとも動かない。
バーカスは心臓に耳を近づける。
心臓は動いている。ということは・・・脳が・・・。
バーカスはギボンを目を閉じると、拳を地面にたたきつけた。
「谷瀬・・和馬・・・・」
炎の壁はいつの間にか消えている。
バーカスはギボンを抱えると、木の下にギボンをそっと下ろす。
「お前の仇は必ず討つからな。ギボン・・・」
バーカスはそう言うと、4人を追いかけホワイトハウスを目指した。

**********

バーカスが行くのを確認した星風人は建物の陰から姿を現した。
「ギボンもやられたか・・・」
星風人はギボンの元へ行くと、ギボンの隣に座り込む。
「俺は・・・・どっちを助ければいいのだ・・・ギボン・・・」
星風人はギボンに問いかけるが、ギボンはピクリとも動かない。
「・・・すまない。ギボン・・・」
星風人は立ち上がり、ホワイトハウス目指して走り始めた。

**********

ホワイトハウス

大統領の椅子に腰をおろしている和馬は炎の壁が消えていることに気付いた。
「ギボンもやられたか・・・」
和馬は横で死んでいるノアを見つめる。
「残りは歌姫、L・A、俺に星風人、ニックスか・・・」
和馬がつぶやいていると、ニックスが大統領室に入ってきた。
「どうした?」
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!」
「な!?」
和馬は突然のニックスの攻撃をかわす。
和馬はニックスの顔を見てすぐに理解した。
「記憶が戻ったか・・・」
「ボスはどこだ!?優太さんやエイミーやアレックは!?」
「黙れ。」
和馬は両手を刃物に変え、ニックスの心臓と腹に突き刺した。
「うっ・・・・」
ニックスは刺され瞬間に即死。
和馬はニックスを壁にたたきつけると、手を元の戻した。
「仲間はこれで4人か。」
ニックスは目を開いたまま、悲しい表情で息絶えていた。
和馬は再び椅子に座ると、そのまま転寝を始めたのだった。