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Re: 〜アビリティワールド 最終章 人類の運命〜23話更新♪ ( No.79 )
日時: 2010/03/29 16:04
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

24話 『運命の再会 VS星風人』

ホワイトハウスから?キロ

優太、天地人、トレバー、バーカス、ジョンはホワイトハウス目指して走っていた。
しかし、ホワイトハウスと優太たちの距離は全然縮まらない。
「歌姫の能力だな・・・。」
「トレバー!!これでは体力の無駄だ!!」
バーカスがトレバーに訴える。
しかし、トレバーにはどうすることもできない。
「トレバー、歌姫の本名は?」
優太がトレバーに聞く。
しかし、答えは天地人から返ってきた。
「考えればわかるだろ?神崎榛名だよ。」
「待って。榛名はお前が殺しただろ?」
その言葉に、天地人とトレバーが顔を合わせる。
優太は2人の顔を見て顔を顰めた。
「・・・実は、あの後は神崎榛名の遺体はラットイスケイプで処理したんだが、遺体が焼却前に消えたんだ。」
「今なら理由はわかる。おそらく谷瀬和馬だろ。」
天地人は優太を見る。
「次の戦いは、神崎榛名とだろう・・・。お前は前へ進め。戦えないだろ?元同級生となんかと・・。」
優太は天地人の言葉である出来事を思い出す。
「岩野は・・・あいつは・・・まだ正義の心が・・」
「岩野と神崎は違う。神崎は完全に悪に染まったんだ。」
天地人が優太の肩をつかむ。
「現実を受け止めろ。」
「お、おい・・・・」
バーカスが4人に呼び掛ける。
4人がバーカスを見ると、バーカスは前方に指をさしていた。
指さす方向を見ると、一人の女性が拳銃を持って立っていた。
その女性は、紛れもなく神崎榛名だった。
「榛名・・・・なんで・・・・」
優太は驚かず、榛名を見て涙を流す。
榛名は優太たちに拳銃を向け、口を開いた。
「優太、私たちは彼に逆らえないの。ギボンのように逆らえば私は、苦しめられて殺される。」
榛名は優太の方を見ると、ニッコリと笑った。
「優太、私は彼の能力で生き返ったの。私が逆らったと知った途端に、私は殺される。それなら・・・」
榛名は拳銃を頭に突きつけた。
「よせ!!

「来ないで!!!!」

榛名は大声で5人を止める。
「私は本当は存在してはならない人物なの。優太、彼の仲間はもう1人しか残っていない。彼を止めるのは今がチャンスよ。」
榛名はそう言うと、拳銃の引き金に指を置いた。
その時だった。

「させるか!!」

星風人が榛名の拳銃をレーザーで吹き飛ばした。
榛名は驚き、ほかの5人も星風人を見て愕然とした。
「た、倒したはずじゃ・・・」
「俺があんなので死ぬわけないだろ?歌姫よ、お前は裏切り者だ。ここで俺が殺してやろう・・・。」
星風人が指を榛名に向けた。
しかし、星風人の後ろにはすで優太が回り込んでいる。
「な!?」
「岩野の二の舞にはさせない!!!!」
優太の両手が刃物に変わり、星風人の右手を切り落とした。
「あ、あがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
星風人は左手で切り口を押さえる。
「くそが!!」
星風人は残った左手で榛名に指を向けた。
「やばい!!」
優太は攻撃しようとしたが、腹を蹴られ後ろに倒れる。
そして、星風人の人差し指からレーザーが発射。

ブシュ!!

榛名は避けきれず、肺を赤いレーザーが貫通した。
榛名は口を押さえ、地面に派手に倒れる。
「榛名!?」
「優太!!歌姫は俺らに任せろ!!」
トレバーとバーカス、ジョンが倒れた榛名に駆け寄った。
天地人と優太が星風人の方を見る。
星風人は右手を失ったのに普通に動いていた。
「天地人・・・に神宮優太か・・・。」
星風人は自分の失った右手を見る。
「これでは無理そうだな・・・」
星風人はつぶやくと、5人に背を向けて後ろに走りだした。
「優太!!逃げられるぞ!!」
優太と星風人の距離はかなりある。
このままでは完全に逃げられてしまう。
「無理だ!!さっき腹を蹴られたせいで足を挫いた・・・」
優太が星風人の背中を睨む。
星風人は優太の方を振り向くと、不気味に笑った。
その時だった。

「くたばれぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

「は?」

突如、星風人の目の前に多数の人間が現れた。
その人物たちは優太の知る顔ばかりであった。
七海、ブラックバーン、チャールズ、エイミー、アレック、シーカーが星風人に拳を向ける。
無論、そんな総攻撃を片手を失った星風人には防げない。
「く、くそがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「くたばれぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
全員の拳は星風人の顔面と体を直撃し、星風人は優太たちの場所まで吹っ飛んだ。
星風人は地面に強く身体を叩きつけられ、そのまま動かなくなった。
榛名のもとにいたトレバーは星風人に駆け寄り、右手を巨大化させる。
全員は黙ってその光景を見ていた。
星風人はトレバーを見上げると、口を開く。
「とどめをさすのか・・・?」
「いや。お前はラットイスケイプに収監する。」
トレバーの言葉に星風人が愕然とした。
「ふ、ふざけるな!!刑務所暮らしなど死んでもしないぞ!!」
「そうか。その減らず口を閉じればこっちの思うがままだがな。」
トレバーは右手を振り上げる。
「よ、よせ!!トレバー、話し合おうじゃないか!!」

「お休みだ。」

「や、やだぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ズゥゥゥゥン!!

巨大化した右手の下敷きとなった星風人は完全に気を失った。