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- Re: 〜アビリティワールド 最終章 人類の運命〜28話更新♪ ( No.86 )
- 日時: 2010/04/02 16:42
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
29話『最後の最終決戦 VS谷瀬和馬&ラスト・アビリティ』
ホワイトハウス→コバルト中央放送局
SAT隊員たちを先頭に、優太たちは放送局へと急いでいた。
「優太!!空を見ろ!!」
キラーの言葉で全員が空を見上げる。
優太たちの真上を一機のヘリコプターが過ぎ去っていく。
「L・Aだ!!追うぞ!!」
「だけど、空飛べる能力者なんて今いない!!」
キラーが叫ぶと、屡婁がニヤリと笑った。
「天地人先輩!!」
屡婁の背中から羽が生え、爪が伸び、まるで天狗の様な姿となった。
「優太!!」
全員の目の前に風代郁が現れた。
「私に触れてれば一緒に大気となってヘリに近付けるよ!!」
優太と天地人は顔を合わせると頷いた。
「行くぞ!!これで終わらせるんだ!!」
天地人は屡婁にしがみつき、優太は郁の手を握った。
「頑張れよ!!」
全員が二人に声をかけた。
優太と天地人が行こうとした時、トレバーが2人を呼び止める。
「優太、天地人、生きて帰ってこいよ。」
2人はトレバーに笑顔で返すと、郁と屡婁とともに空へと上がった。
屡婁は羽をはばたかせ、郁は優太とともに風となってヘリの元へ向かう。
「ある程度近づいたら、お前と君はヘリから離れろ!!俺らで戦う!!」
天地人は郁と屡婁に言った。
2人は頷き、ヘリから2メートルまでの地点に近づく。
相手はまだ気づいてないらしい。
「優太!!両サイドから挟み撃ちだ!!」
二手に分かれ、優太と天地人はヘリの操縦席を覗きこんだ。
操縦席にはL・A、助手席には死んだはずの和馬がいた。
しかし、優太と天地人は和馬が生きていることに驚かない。
「なっ!!」
ヘリに乗っている2人は驚き、優太と天地人はその直後にヘリに飛びついた。
優太は和馬の腹を刃物と化した右手で刺す。
天地人はL・Aの首をつかみ力を込めた。
「あ・・が・・・・」
L・Aは天地人の能力で石化した。
「よし!!」
天地人は和馬を後ろから襲う。
「はなせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
和馬は天地人をヘリから突き落とす。
「天地人!!」
「大丈夫だ!!!」
天地人はヘリから姿を消し、空を舞う。
だが、屡婁と郁がすぐに天地人をキャッチした。
「ありがとう。」
「天地人先輩!!あれ!!」
屡婁がヘリの正面を指さす。
天地人が指さす方向を見ると、黒い煙が一本ヘリに突っ込んでくる。
その黒い煙の正体は死んだはずのノアだった。
「ノア!!」
ノアは天地人に笑顔を見せると、ヘリの方を向く。
「俺を誰だと思ってやがる・・・。」
ノアはそう言うと、和馬を睨みつけた。
「これで最後だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
ヘリ内にいた優太と和馬は突っ込んでくるノアに気付いた。
「ノ、ノア!?」
優太はノアの行動を見てすぐ様ヘリから飛び降りた。
和馬も飛び降りようとするが、足が動かない。
「な、なんで・・・あ!!!」
和馬が足を見ると、L・Aが和馬の両足をつかんだまま石化していた。
「くっ!!よ、よせ!!!」
和馬はノアに叫ぶが、ノアは聞こえていない。
そして、ノアが操縦席に突っ込んだ瞬間!!!
ボォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!
ヘリが轟音をあげて爆発を起こした。
優太は郁にキャッチされ、どうにか難を逃れた。
空に止まっている優太と郁、天地人と屡婁は燃えて落下していくヘリを見ていた。
「ノア・・・・」
優太と天地人は声をそろえてつぶやいた。
**********
燃えながら落下していくヘリの中ではノアが和馬の首をつかんでいた。
石化していたL・Aは爆発と同時に粉々となっている。
和馬は必死にノアの手を離そうとするが、ノアの力はものすごいものだった。
「た、頼む・・・助けて・・・・」
「お前は首をつかんでいる時だけ能力を使えない。」
ノアはニヤリと笑うと、和馬の耳元で囁いた。
「お前は細胞一つ残さず消してやるよ・・・」
「や、やだ・・・死にたくない・・・・」
ヘリはコバルト中央放送局めがけて落下していく。
「あそこには爆薬があるんだろう?最後はお前自ら仕掛けた罠で死ぬんだな。」
「頼む・・・な、なんでも・・・・・言うこと聞く・・・から・・・・・」
和馬の手から段々と力が抜けていく。
ノアは最後に和馬にめがけて言葉を言い放った。
「地獄で、また会おうぜ。独裁者さんよ!!!」
ノアが和馬に言ったその時!!
ボォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!!!
ヘリはコバルト中央放送局に落下したと同時に、放送局に仕掛けられていた爆薬が作動。
放送局はけたたましい轟音とともに崩れ、ヘリや和馬、ノアは跡形もなく消え去った。
**********
優太と天地人、屡婁と郁はトレバー達と離れたところに着陸した。
4人は大きく深呼吸をすると、顔を合わせて笑った。
「これで、これで・・・・」
「あぁ。こんどこそ、これで終わりだ。」
天地人は空を見上げる。
空の崩壊はようやく止み、空は除々に元の姿へ戻っていた。
「俺らの勝ちだ。」
優太はガッツポーズをすると、その場にパタリと倒れた。
「優・・・太・・・・・」
天地人も力ついてその場に倒れる。
「先輩!?」
「優太!?」
2人は優太と天地人に駆け寄ると、すぐに足を止めた。
2人はいびきをかいて寝ていた・・・。
郁と屡婁は微笑むと、2人を抱えてトレバー達のもとへと向かったのだった。
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