ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ブラックチェーン ( No.46 )
- 日時: 2010/03/19 19:24
- 名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)
********** 事態悪化 **********
(ヒックヒック・・・)
「サクラぁ・・・っう、うぅ・・・」
彼女の名前は栄倉美桜。
先日、大切な愛犬、サクラが亡くなった。
原因はバットのような物で数回強打されたからの様だ。
今、彼女は庭でサクラのお墓をつくっている。
「サクラ・・・もうすぐ桜の時期だよ。
もうすこしで一緒に見られたのに・・・
サクラと出会ったのも、桜の頃だったよね・・・。」
—— 三年前 ——————
『花屋敷』そうよばれた古い洋館。
今は誰も住んでいない。
おじいちゃんの時代からあったらしく、誰が住んでいたのかは解かっていない。
洋館が『花屋敷』と呼ばれる由縁、
それは、誰も居ないはずの洋館には、常に花が咲いていた。
そのせいで、『幽霊屋敷』と呼ばれることもある。
でも、このあたりの住人は恐がるどころか、季節ごとに変わる花々を楽しみにしていた。
その辺りに住んでいた少女、美桜は、春に見られるあの花が一番の楽しみであった。
そう、桜だ。
その桜はどこか他の桜とは違うように見えた。
品格があり、大きさも並じゃない。
どこか神々しく、美桜はその桜の虜になった。
春が近づくと、美桜は毎日桜を見に行く。
桜の季節、美桜は例年通り『花屋敷』へ。
そこで出会った一匹の犬。
そう、サクラだ。
家にいきなり連れて帰ったので驚かれたが、
その犬は、サクラは暖かく迎えられた。
—————————————
「サクラ・・・私、サクラのこと、絶対忘れないよ。
桜の季節になったら、また花屋敷で会おうね。」
美桜はサクラに土をかぶせ、石(『サクラの墓』とかかれている)をのせた。
深夜三時頃、美桜はもう寝ている。
(ぽんっ)
(ずぼっ がさがさ・・・)
何かの音がした気がして美桜は起きた。
窓から庭をのぞいた。
「誰・・・?」
そこには誰かがいた。
暗くてよく見えない。
嫌な予感がした。
急いで外へ出た。
誰も居なかった。
そして
「あれ・・・サクラのお墓が・・・・」
石は転がっており、穴があいていた。
あいた穴から、サクラの姿は見えなかった。
「サクラっ・・・!!」
美桜は気づくと駆け出していた。
何故か、花屋敷のほうへ。
無意識だった。そこに行けば、サクラに会える気がした。
その予感は、良くも悪くも当たってしまった。
「サクラっっ」
そこに、サクラはいた。
そして、知らない人が一人。
「キミは・・・・?」
相手が答えてくることは無かった。
そして、彼女、栄倉美桜は
死んだ。
美宇たちにも知らされた。
それも、
行方不明として。