ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ブラックチェーン ( No.52 )
日時: 2010/03/22 18:15
名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)

  ********** 一瞬の疑い **********

 侑くんの手には、猫の死体があった。

  「侑くん・・・?それ・・・

  「おお〜い!!お前ら何してるんだ〜?」

 と、男の声がした。

 後ろを振り返る。

  「あれ・・・?先生!」

 副担任の河浦だった。

  「何で、此処に・・・?」

  「おぉ、桐谷。
   いや〜、最近いろいろと物騒だからな、見回りをしているんだよ。」

  「へー・・・」

  「おや、きみは?」

 河浦は侑くんに向けて言った。

  「侑!」

  「・・・それは何?」

 猫を指す。

  「・・・ミィ!僕の飼ってた猫なの!
   死んじゃって・・・だから、ここに埋めるんだ。」

 
 侑くんの飼ってた猫なのか・・・
 一瞬でも侑くんに対して不信感を持ってしまった自分が恥ずかしい。


  「そうか。
   岩崎と桐谷も早く帰れよ。何かあっちゃいかんからな。」

  「「はい。」」

  
———(ここからは美宇と賢人のコソコソ話。)———


  「賢人〜。」

  「なに。」

  「あたしさぁ、侑くんが猫の死体持ってたとき、一瞬だけだけど
   もしかして、侑くんが犯人なんじゃ・・・って思っちゃったんだよね。」

  「そっか。」

  「賢人は何か思ったりした?」

  「まぁ、すこし・・・でも、侑が栄倉を殺した犯人ではないとは思うけどな。」

  「うん、侑くんはそんな事しないよ!」

  「なんの理由で・・・?」 

  「・・・・。」

  「やっぱ答えられないかw
   ま、いくら栄倉が女でも、あんな小さな子供に殺されるわけないからな。」

  「『やっぱ』って・・・答えられないって分かってて聞いたんじゃ・・・。」

  「ははは。」

  「おいっ!」

———————————————————————


  「あ、侑くん。
   もう埋めれた?」

  「うん!」

  「侑くんもう帰らなくてもいいの?
   そろそろ六時になるけど・・・・。」

  「う〜ん。いいや。
   もうすこし桜見てるんだ。これから咲くかもしれないから。」

 無邪気w。

  「そっか。じゃ、うちらもそろそろ帰る?賢人。」

  「あー、うん。」