ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ブラックチェーン ( No.56 )
日時: 2010/03/25 15:58
名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)

********** 仮説と謎解き **********

  「・・・・と言う訳だったんだよ!」

  「ふーん・・・。」

 此処は元文化部部室。

 この間利奈は居なかったから、今の状況を報告中・・・


  「っていうかさ・・・・
   何っっで私を呼んでくれなかったの!」

  「いや・・・ええっと〜それは〜」

  「はいはい。どうせ私は邪魔者ですよ〜っだ!
   美宇は二人で居たいんでしょっ!!」

  「違うって〜;;」

  「俺が美宇誘ったんだよ。
   あの子供、気になるところがあったからな・・・」

  「気になるところ?」
       ,,,,
  「あいつは『なかなか咲かなくて・・・』と言った。
   まるで、自分で咲かせるような言い方だった。あまり正しい表現とは言えない。
   子供だから・・・とも思ったが、一応。」

  「・・・そっか。
   でもさぁ〜別に私も誘ってくれてもいいじゃん。」

  「忘れてた。」

 おいっ(`・△・´)/!!

 利奈はそれから今日一日中賢人に話し掛けることは無かった・・・

  「ねー美宇。そんでさ、怪しい人とか居ないわけ?」
   
  「う〜ん。居ないかな。」

 犯人っぽい人なんて居なかったよな?

  
  「・・・そうか?」

  「「え!?」」

  「怪しいとまでは言わない・・・が、いるかもしれないぞ。
   花屋敷に関係した人物を挙げてみろ。」

  「関係した人?
   えっと、まず私達三人と、侑くん、侑くんのお婆ちゃん、美桜ちゃん、美桜ちゃんのお母さん・・・かな?」


  「話を聞いた感じそんぐらいじゃない?」

 
  「いや、もう一人居る。」

 まだ居た・・・?
 そんなの居たっけ?
 誰・・・?思い出せない・・・。


  「一瞬だけ居たろ?
   あいつだよ。

   副担任の河浦。」


  「「え〜〜〜〜〜!!」」

  
  「た、確かに居たっちゃ居たけどさ・・・
   絶対関係ないじゃん!!

   だって、あいつは見回りをしてただけだって・・・!
   それに、河浦は教師じゃん!!」

  「犯罪に職業なんて関係無い。例えそれが教師であっても・・・。
   それに、見回りなんて、ただの嘘かもしれない。」

  「そ、そりゃそうだけど・・・
   でも、証拠なんて一つも・・・

  「ああ、証拠は一つも無い。」

  「証拠が無いのにそんなこといっ

  「言うだけなら自由だろ。

   すべて、『もしも』の話だ。
   
   ・・・ひとつ、仮説をしよう。」

  「仮説・・・?」

  「あいつは、花屋敷に行っていた。
   それは、見回りではなく、侑に猫の死体を届けるためだった。
   でも、そこには俺達がいた。
   そして、教師らしく『見回りをしている』という嘘をついた。
   当然、俺達のいる場では猫の死体は渡せない。
   俺達が帰るまで、あいつは花屋敷で隠れていた。
   そして、帰ったあと、侑に猫の死体を渡して帰った。
   
   ・・・俺達がまた戻ってくるその数分の間に猫を渡せたのは犯人が河浦だったから・・・という話だ。」

  
  「なるほど・・・確かに私達に見つかることなく猫を渡せたのは運が良すぎる。
   でも犯人が河浦なら、それが出来る・・・。
   可能性は、ゼロじゃない。」


  「ふぅん・・・。それならかなり『犯人は河浦』の線は高いね。
 
   それじゃ、この後することは・・・

  「やっぱ証拠探し?利奈、賢人。」

  「そうだな・・・」

  「んじゃ、どうします?」


  「じゃーまずは・・・



 そうして、私達は花屋敷へ向かった。