ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ブラックチェーン ( No.74 )
- 日時: 2010/04/13 20:39
- 名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)
********** 現場へGO! **********
「そういえば、賢人は何処に泊まるの?」
「この弥生旅館の、三階にある部屋。」
「ふぅ〜ん・・・。」
この旅館はかなり広い。年季も入っている。昔からあったものらしい。
そんな穏やかな空気流れる此処で、事件は起きた。
一体何故、こんな場所に遺体を・・・
「それで・・・その死体っていうのは?」
「そこの近くに、石ころの間に挟まってたんだよ。」
「なんかぁ、今社員旅行に来ている研究員の人たちの知っている人に似てたらしくてぇ・・・どう思う?」
「それだけじゃな・・・。」
「んじゃあ、またあの人達に話し聞くぅ?」
おいっ!!余計なこと言うなぁぁーーーー!!
「いや・・・まず現場に行ってみよう。」
ほっ・・・。
旅館を出て十分ほど—————————
「ここか・・・。」
旅館同様、穏やかな海。
でも、やっぱりあの場所は穏やかではなかった。
海の中だったというのに、石には血のりがべっとり。気持ち悪い。
そんな中でも、冷静な奴が一人。
「ここか・・・確かに、人通りも少なそうだ。暗いし、旅館からは死角になっている。海に落とすことは困難ではない・・か?」
いや、もう一人いたらしい。
「そうだねぇ・・・。でも流石に誰も此処を通らないなんてこと、あったのかなぁ?ちょっと運良すぎだよねぇ。
車で隠しながら・・・とかならいけるぅ?」
なんでてめーらはそんな冷静なんだよ。なんでそんなひょうひょうとしてるんだよ。むしろかっこいいよ、君ら。
「おおぉーーーい!!ここは立ち入り禁止だぞ!!」
大きくて太い声。
どこかで聞いたことがあるような・・・?
「・・・・あれ?岩崎さんの・・娘さんじゃあ?」
「あっ!!山田さん・・でしたっけ?」
この若い男性は刑事の山田さん。お父さんの部下で、何度か私と顔を合わしたことがある。
「・・・?美宇、だれ・・?」
「ああ、お父さんの知り合い。」
「あ、じゃあ刑事さん?」
「うん。」
「それさ・・・やばくね?」
そう、此処は立ち入り禁止の場所。
つまり・・・見つかったらやばい(かなり)。
「ははっしょうがない。知り合いのよしみで見なかったことにしとくよ。早く帰れよ。」
「「ありがとうございますっ;」」
私はこの時ただただ安心しているだけだったのに。やっぱりあいつは冷静だ。
「刑事さん、遺体の身元、わかりました?」
ええぇぇっ!それ聞いちゃうの!?
「・・・ああ。でも、教えることは・・・
「もしかして、加賀見理狐さんなんじゃないんですか?」
「・・・・!!よくわかったな。そうだよ。」
死んでいたのは、やっぱり加賀見理狐さんだったようだ。
理狐さんを知っていたので、私たちを理狐さんの知り合いとでも思ったのだろうか。山田さんは話してくれた。
「殺されたのは、ちょっと前で・・・二ヶ月前くらいではないかといわれている。」
「・・・水死ですか?」
「いや、そうだと思ったんだが・・・体に毒の痕跡があったことから、毒殺されたと・・・。」
「その毒の種類は?」
「流石に関係者以外にそこまでは言えない・・・でも、とても手に入りにくいものだったよ。
じゃ、もう君達は帰りな。」
そう言われて、私たちは現場を後にした。
—————————
「毒を盛られたのかぁ・・・。」
「ということは、今度は河浦みたいな自らの快楽のために殺すタイプとは違って、恨みを持った犯人・・・?」
「よし、行くぞ。」
・・・嫌な予感。
「何処へ・・ですか?」
「決まってんだろ。高地望魅たちのとこだよ。」
・・・・いやだぁぁぁぁ〜〜〜〜
そんなわけで、またあの人達の所へ向かうはめになった。