ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼女の恨み 【二話更新】 ( No.6 )
- 日時: 2010/02/06 17:48
- 名前: まさブラ (ID: 1z7c.Tqt)
早朝6時。
信吾は、もうベッドから出て、洗面所で歯磨きをしている。
そして信吾は昨日のメールの事をまだ気になっていた。
「あのメールは一体……」
昨日の謎のメールが気になって夜も寝れなかったのだ。
歯磨きも終え、鞄を持って信吾は外に出た。
チュンチュンと鳥のさえずりが聞こえてくる。
————しーんご!
と後ろから自分の名を呼ぶ声がする。
振り返ると、今の彼女の花音だ。
「何……?」
そっけない返事をする。
「もう! 彼女になったというのにどうしてそっけないの?」
「いや、その、なんかごめん……」
彼女は、明るい声で言う。
「なーに? もしかして私のメール、無視した事くやんでる? 別にそんな事気にしなくて良いよ。そりゃー、私も無視された時は正直悲しかったけど今はぜんっぜん気にしてないから」
「わりィー」
「うん、そうだ! 私達、恋人同士なのにデートまだ一回もしてないよね? 今週の終末遊園地でも一緒に行こ」
「ああ、場所はどこで、何時に集合?」
「うーん……」
彼女は少し考えた末結論を言った。
「じゃあね、朝9時に海が浜公園に集合」
「分かった」
信吾は、笑顔になって言った。
その後、授業を受け、今は研究室。
「これが、こうなって、ああなって……」
教授が、喋ってる時信吾は無視していた。
やっぱりあの謎のメールが気になっていたのだ。
ちなみに授業もそっちのけで考えていた。
「あのメールは一体なんなんだ……」
その事をずっと考えてる内に研究は終わった。
時刻は、夜8時。
「もう、そんな時間か……」
信吾は、鞄を持って研究室を出ようとした時、花音が呼び止めた。
「信吾くん、一緒に帰ろう」
「うーん、分かった」
そして二人は研究室を後にした。
公園の前を通り掛かった時、花音が口を開いた。
「ねぇ、信吾くん」
「んっ?」
「研究室にいた時も、授業の時も何か考えてた?」
「何故だ?」
「いや、なんか浮かない顔だったし……」
信吾は、心配かけないように気にしなくていいとだけ言った。
その後、二人は黙々と歩き、分かれ道で最後にした。
「じゃあ、また明日」
「おう、明日な」
明日は日曜日、デートの日。
信吾は、階段を上り自分の部屋の戸の鍵を開け、中に入った。
中に入ったと同時にメールがきた。
宛先は、昨日と同じ不明。
信吾は、さっそくメールを開いて読んだ。
信吾くんへ
明日、彼女とデートに行くらしいね。
でも、デート行けないかも……。
だって、彼女はもうすぐ死ぬから。
ふふふ、彼女が死ねば信吾くんは私のもの。
ふふふ ふふふ ふふふ
???より
彼女はもうすぐ死ぬ……。
信吾は、何か胸騒ぎがした。
彼女がいや、花音が危ない。
信吾は、咄嗟にドアを開け、外に出た。
彼女が家に行く道を必死に探す。
「どこなんだよ」
1時間…2時間…3時間と時間は過ぎて行く。
家にも電話してみたが誰も出ない。
彼女の携帯も……。
そして、大分探した時彼女は見つかった。
海が浜公園のベンチに座ってるように見えた。
遠くから一回声を掛けてみたが反応無し。
近寄ってみると彼女の姿が一変していた。
あのかわいい彼女が今は、胸を殺傷され死んでいた。
「花音…花音…。おい、起きろよ! 起きてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
つい先ほどまでいた元気な彼女はもうそこには居なかった……。
信吾が、泣き崩れているとメールが鳴った。
宛先、不明。
信吾くんへ
ふふふ、彼女死んじゃったねぇ。
ふふふ、これで本当に信吾くんは私のもの。
あっ! あと忠告してあげる。
信吾くんに近づく女は殺してあげる。
???より
「誰なんだよ、誰なんだよぉぉぉぉ!!」
すると、ある事を思い出した。
その宛先にメールをすればいい。
真っ先に信吾は謎の宛先にメールを送った。
しかし、返信出来ませんと書かれた。
信吾は立ち尽くした。
「俺はどうしたら……」
信吾は、またもや泣き崩れた。
死んだ花音の前で……。
つづく