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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: __堕ちた僕と愛しいキミ ( No.18 )
- 日時: 2010/01/25 15:33
- 名前: 郁斗 (ID: 4vtppfc1)
最終話 僕
「バイバイ、ゆず」
「えッ?」
——ドスッ
鈍い音がする。
視界が暗くなる。
僕はゆずを刺したんだよね?
アレ?
何で?
「さようなら。遊樹」
あぁ、そうか。
僕が刺されたのか。
世界が反転して見える。
苦しいな。
痛いな。
でも、心が落ち着いてる。
「また、逢おうね」
ゆず?
どこ行くの?
僕を一人にしないで…
「ゆ…ずッ…」
そうか。
そうだったんだ。
僕はゆずを殺したいんじゃないんだ。
僕がゆずに殺されたかったんだ。
狂ったのは僕だけじゃないらしいね。
ゆず…君もそうだったんだね。
「…バイバイ、ユズ」
終わるのは僕。
堕ちたのは僕。
『また、逢おうね』
逢えるわけないじゃん。
幸せにね、ゆず。
———君の幸せを壊しに行くよ…
END
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