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Re: __堕た僕と愛しいキミ ( No.7 )
日時: 2010/01/23 11:17
名前: 郁斗 (ID: m/WW0M6t)

第5話 真実の嘘


剥がれ堕ちた、嘘の欠片を飲み下す。
それは自らの喉を切り裂いて甘く甘く滴った。
紅い雫は描き出す。

仮面の下に隠した、醜い真実を——

人は、その一生の中でどれだけのモノを手に入れる?
そしてどれほどのモノを失う?
僕は今どんだけの罪を犯した?


「僕の道はとっくに無い」


その声が掻き消され、道を奪われ、黒い真実に陥った。
本当の僕は誰なんだい?
ココに居る僕は誰なんだい?


「愚かなのは僕の方だ」


悪魔は真っ赤な下を出しながら、僕を嘲笑う。
それはまるで、僕に言うように。


「『お前は堕ちた』と…」


仮面の下の醜い真実。
後戻り出来ない一つの道と言う『キミ』
その道に踏み出した僕。

この時点で決まったんだ。


「僕は…×××——」


運命などこの世に一つもないんだ。