ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: キミシニタモウコトナカレ ( No.11 )
- 日時: 2010/01/23 19:29
- 名前: right (ID: zuIQnuvt)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=13433
では続きをどうぞ。
第一記[序]②
森を駆ける少女が一人。
嫌だ。死にたくない、死にたくない、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ‥‥!!
殺さないで、助けて。
走らなきゃ、食べられる。
「あっ」
しかし、少女は木の根に足を引っ掛け、転んでしまう。
巨大な蟷螂のようなモンスターが彼女に迫る。
「ひっ‥‥あ、ああっ‥ああああああ!!」
モンスターが鎌を振り下ろす。
「バーカ」
だが、それは目の前にいた彼により防がれた。瞬時にモンスターの両腕を切り落としていたのだ。“ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!”とモンスターは奇声を発する。
「耳元でうるせー。黙れ」
ついでに首も切り落とす。
しかし、その奇声は意味あるものだった。森のあちこちから同じような奇声が近づいてくる。仲間か。ったく、めんどくせーなオイ。
「おいで」
少女について来るように、手を差し出した。少女は力いっぱいその手を握り、彼と共に走った。
そして誰かいる、洞窟らしきところに連れて来られた。
「どうした」
水色の髪をした男が少女と隣にいる男を一瞥する。
「本命登場ってとこっすよ」
その言葉を聴いた水色の髪の男は長銃を手にし、奥にいた黒髪の青年はなにやら本のようなものを手に持っていた。
「いくぞ」
「リョーカイ」
「了解」
目の前にモンスターは五体。こちらは三人。
余裕。
「ガーティ」
黒髪の青年は名前を呼ばれると、本を開き、何かを唱えだした。
魔術か。
「『炎よ、我に仇名す敵を焦がせ。フレア』」
奥にいたモンスターの足元に巨大な魔法陣が現れ、そこから巨大な火柱がモンスターを包んだ。
その間に俺とオルト少佐は、ま、それぞれ対応していた。まず俺は前衛の二匹。一匹は足、腕、首、胴体をばらばらにし、もう一匹は頭に剣を突き刺してやった。オルト少佐は‥‥銃で頭をぶち抜いていた。
「帰るぞ」
意外にあっけなくて、つまらなかった。
だが。
[序]③へ続く