ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 最後の天使 ( No.1 )
- 日時: 2010/01/24 14:22
- 名前: 五月雨 ◆.B9g.WpyZs (ID: tXtJgBFl)
第一話
明日菜sade
「店長〜!これはどこにディスプレイしましょうか〜?」
『あ、うーんと…。その右の方にしといて〜!』
「はーい!」
それはいつもと特に変わらない時間だった。
あなたが現れるまでは。
お店のドアが開く音がして振り返ると、そこに立っていたのは、20代前半と思わしき、背の高い男性。
「『いらっしゃいませ〜!』」
「えっと、外に飾ってあるジャケットを見せてもらいたいんですけど…」
『あ、はい!あの黒のジャケットですね?かしこまりました。少々お待ちください!』
(あのジャケット気に入ったのかぁ。なかなかセンスある人だなぁ)
『こちらでよろしいですか?』
「あ、はいっ!」
『よろしかったら、こちらの鏡の前でご試着なさってください☆』
「は〜い」
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(うわぁ、似合うなぁ〜。このジャケット着こなせる人はなかなかいないって思ってたんだけどなぁ…。)
「ね、店員さん、どうですか!?」
『あっ、はいっ!とってもお似合いですよっ!』
「うわっ、ほんとですか?じゃあサイズもバッチリだし、これください☆」
『(さっきから声でかいなぁ(笑))はい!ありがとうございますっ』
私は精算と包装のため、彼からジャケットを受け取ろうとした。すると、
「あ、俺このジャケット着て帰りたいんすけど、いいですかね?」
と彼。自分のデザインしたものを気に入ってくれたのだと嬉しくなり、思わず満面の笑みで
「はい、そうしてもらえたら、そのジャケットも喜ぶし私も嬉しく思います☆」
なんて言ってしまった。
「ん?このジャケットって店員さんが作ったんすか?」
『あ…、えっと…。そうですね。このお店にあるのはほとんど私のオリジナルです。で、このお店の店長も私です。』
「え〜!?マジ〜!!?すっげぇ〜!店長〜?すっげぇ〜!かっけぇ〜!」
『いえいえ…大したことないですよっ(やたらビックリしてるなぁ、この人。さらに声でかいし(笑))』
まだ何やら驚きの言葉を呟いている彼を見ながら、精算のためにレジに回った。
彼の顔を改めてよく見ると、黒目がちの綺麗な瞳に、よく通った鼻筋、可愛い唇…。びっくりしたときの顔なんて、子供みたいだったし(笑)
うーん、結構タイプかも…。
……おっと、あたしってばお客様相手に何を考えてるんだ。
仕事に集中!
『19800円になります!(必殺営業スマイルっ←)』